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穴吹史士が書いた記事

AICキャスターclick
2007/02/19

さらば
肝臓にテニスボール大の癌があることがわかったのが昨年11月末。AIC編集の一切をアスパラクラブの中川聡デスクに引き継ぎ、後顧の憂いをなくしたうえ、暮れの22日に肝臓の60％を切除しました。それ自体は成功、肝臓も現在は元の体積に戻っているはずです。

しかし、８時間を超す大手術となったため、術後に漏れだした胆汁が腹水に混じって、腎臓、膵臓、肺と、一通り内臓を駆け巡って炎症を起こし、発熱と痛み、不眠と幻覚、食欲不振とむくみが続き、入院は60日に及んで、昨２月17日、ようやく退院が許可されました。きょう18日は妻の１周忌に当たり、なんとかそれまでにはと、心に期していましたが、ぎりぎり間に合った形です。

この間、読者のみなさんから下掲のようなお便りをいただき、いずれも嬉しく拝読しておりましたが、文章を書く気力、体力に欠け、お返事できずにいました。申しわけありません。

入院中のエピソードは、AICを何回も書けそうなくらいありましたが、肝臓を切り取ったうえ、身辺雑記を切り売りするのも、なにか浅ましいような気がして断念。入院中に激減した体力の回復にまず務めることとし、また他の事情もあって、私の担当コラムも今回をもって終了と致します。最後はもっとかっこよく終わりたかったのですが……、お許しのほどを。

1997年11月から足かけ10年、長いご愛読を感謝いたします。ご縁があれば、広いウエブの海のどこかで、亀と流木のように突然出会うことがあるかも知れません。では、さらば。