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穴吹史士が書いた記事

雑文
2004/07

表現する動物
朝日カルチャーセンター
「編集長のライター塾」ちらし

人間はつくづく表現する動物だと思う。適度に、というより、絶えず表現していなければ、一種の精神的ふん詰まりに陥って、へんなことになってしまう。つまり、表現は、摂食したり排泄したり、恋したり絶望したりするのと同じで、人間が生きてゆくために必ず行わなければならない必須の営みなのだ。

それを稼業にすることの幸せ。いいたいことをいい、書きたいことを書き、言葉で表現する。なんとここちよいことか。しかも、それで報酬を得る。しかも、人間に必須の営みなので、市場は永久。長年そんな仕事を続けてきて、近ごろますます気に入っている。もっとも、ときに切なく苦しいのは、これまた恋と同じ。