"まだあげそめし前髪の　林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の　花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて　林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に　人こひそめしはじめなり"

島崎藤村「初恋」より

伝言板を問答・私論で汚してはとて本文を掲載させていただく。
あまりに馬鹿を繰り返していると弥兵衛殿からカザグルマの矢が飛んでくるやもしれぬ（カザグルマは弥七であったかも？）。

先日、淡水君（我が弟を名乗る好き兵衛殿）英単語の誤りを指摘されてしまった。まさに、英語の苦手な徳兵衛の弱点が露呈した。若き日にもっと英語を勉強しておけばと今更に悔やまれる。 良き師は恵まれていたのに！（ヨイショ？）

ともあれ、ここで問題にするは語学にあらず。 彼の言う「芦屋のオバチャン」のことである。


その方とはもしやして「湯煙日記」を綴られる"湯の姫さま"ではござらぬか。そうだとすると、幾分お年を召されたとはいえ、"湯の姫さま"に対して「オバチャン」よばわりはいただけぬ。

いまや明かそう、"湯の姫さま"こそ徳兵衛の"初恋人"の一人でござるよ（Ｏｎｅ　ｏｆ　ｔｏｋｕｂｅｅ'ｓ　ｆｉｒｓｔ　ｌｏｖｅｒｓ）。

"初恋の人"がそんなに多くいて良いのかとお尋ねか？
愛にいくつもの形があれば、恋にも幾種の形があろう。まして初恋においておや。
徳兵衛が生まれしより、初めて女人と肌を重ねしまで、時にふれ、折にふれ、想いをいだいた女性は徳兵衛にとって"初恋人"となっている。
現に我が国のプロ野球だってファーストが12名もおるではないか。ね、駄人（Ｄａｂｂｉｔ）先生。


いや、話を元に戻そう。
徳兵衛が"湯の姫さま"を見そめ申したのは、時ははるか昔、共に12、３歳のことであったろうか。徳兵衛は、一人の清純可憐な野菊の如き乙女に出会った。セーラー服の良く似合うおさげの初々しき女学生であった。機関銃を手にはお持ちでなかったが、口には隠し持たれいたかも？
容姿・服装・髪型などに、ご異論もござろうが４０年の歳月が徳兵衛の都合に合せて美化・風化してきたことをお許し願いたい。

当時の徳兵衛は幼きゆえに、"湯の姫さま"の姿を見るだけで、あるいは声を聞くだけで、夕陽の如く頬は染まり、頭に白雲が立ち込める有様であった。徳兵衛は語ることはおろか近づくことさえ出来なかった。
互いにけがれを知らぬ時代ゆえに、具体的な思い出もなく寂しくもあるが、徳兵衛の"想い"のみが思い出である。



●"湯の姫さま"に一首そして一句

見そめしも　笑みに頬染む　恋なれば
語れし今も　遠しことのは

序の文字に　想い綴らん　蓼たるも