６月から７月はじめ頃の不振がウソのような､タイガースの快進撃が続いている。

６月１６日、旅行から帰ってきた時、順位こそいつもの最下位だったが、借金は４つだけで、「なかなか頑張ってるやないか。これならオールスターまでには５割に戻せるかな」との喜びも一瞬。その後と負けが込み、オールスター明けの時点では、５割どころか借金は１１、早くも定位はズルズル置の最下位確定か、と言う体たらく。

巨人の首位はしょうがない、うまく行ったらＡクラス・・、と期待していただけにこの落差は大きい。今年のペナか　とは思ったが、我がタイガース　今年は去年より一つや二つは順位を上げてくれるやろうントレースは終ったも同然、と新聞を見る気にもならない日々が続いていた。


ところが、オールスターが終ってみると、ご覧のとおりの快進撃。途中まで負けていようが、逆転に次ぐ逆転。きわどい１点差のゲームをガッチリとモノにして、休み明け以降はなんと８勝３敗。昨日もまたまたシーソーゲームを頂いて、これで４カード連続勝ち越し。後半戦だけに限って言えば、巨人より上で勝率１位と言ううれしい誤算。

この原因は何か？

何と言っても　良いところでよく打つようになった。　オールスター休み中の特訓の効果がやっと出てきたようだ。

前半戦では、ヒットを連ねてランナーを出しても、肝心のヒット１本が出ずに点が取れない。ピッチャーはそこそこ踏ん張っているのに点が取れない。前半で３､４点リードでもされようものなら、もう、今日は負けと決まり。　せいぜい頑張って反撃しても届かず、惜しい負け方が続いて結局借金が増える、と言う形が多かった。

しかし、オールスター以後はひと味違う。前半に少々リードされていても中盤あたりからコツコツと反撃する。７､８回には何とか追いつき逆転、その間　中継ぎが頑張って相手の追加点を防ぎ、最後は抑え役がキッチリと締めて勝つ、と言うパターンになってきた。

１１あった借金も、コツコツ返してあと６つ。２週間のロードの間には返せそうな雰囲気になって来たではないか。

バッターの調子も上がっている。前半戦のような打ち損ないが少なくなったし、非力は非力なりに素直にセンター返しを心がけて次のバッターに繋ぐ、と言う気持ちに徹しているのが、ここに来ていい結果につながっているように見える。


もともと投手陣は、コマが揃っているのだから、７回あたりでリードさえしていれば、あとは調子のいいピッチャーを継いで締めくくりまで持っていくことはそう難しいことではない。

昨夜のヤクルト戦、延長１０回の新庄も、チームバッティングのお手本と呼んでよいものだった。あの場面は同点でワンアウト満塁。外野へ犠牲フライさえ打てれば１点勝ち越し、あとは葛西、遠山に任せて勝利が転がり込む。

新庄は、初め　相手ピッチャーの威力のあるストレートに的を絞っていたと思う。古田が裏をかき､初球はカーブでワンストライク。２球目にストレートが来たが、真ん中高めに外れてボール。ここで新庄、狙い球を変化球に変えたと思う。それとも、１球目の見逃しが、「変化球を待っていない」という三味線だったら大したものだが・・。

続く３球目。ストレートのコントロールに疑問を持ったキャッチャーの古田は、又カーブを要求。満塁だっただけに、不利なカウントにしたくなかったのだろう。定石どおりカウントを取りに来た、この外寄りのカーブを　無理に引っ張らずライト方向へ打ち返した新庄を誉めてやりたい。スタンドまでは届かなかったものの、充分な飛距離のある犠牲フライで、接戦に終止符を打つ貴重な勝ち越し打だった。

新庄と言うバッターは、格好ばかり構って肝心な時に打てない頭の悪い奴だと思っていたが、最近ちょっと見直した。

この調子なら、５割復帰も目前。念願のＡクラス入りも見えてきた。

ちょっとピッチャーの方もへばってきて、特に先発陣が早々と点を取られるケースが目立つものの、遅まきながら、このあたりさえ解決できたら、やっとこさ野村効果が出てきたようだし、ペナントレースの残りが楽しみになってきた。

とは言っても、優勝はやっぱり巨人で決まりだろう。

２月にも投稿したように、今年の顔ぶれで優勝できなかったら長嶋監督も笑われる。最後の花道を飾って優勝は巨人、２位がタイガースと言う訳には行きませんかねぇ。

2000年８月10日記