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甲斐明野　グレイス農場 葡萄酒郷の四季 春＝桃花・菜の花と田中泯　2009.4.15-16 夏＝向日葵と大きな桃の実　2009.7.31 冬＝松原越しに「あなぶき富士」　2010.1.1・2.1

●「60万円富士」初日 甲斐明野のグレース農場から、 近況写真つきのメールが、 Ａ松くんから届きました。 ● 過日、「６０万円で富士山が買えるなら、 安いもんやないか」と指摘された 自宅デッキから畑の向こう、松原越しの富士山です。 本日朝６：３０から７：００にかけての撮影です。 確かに、６０万円は安いですね。 背後から日の出の光を浴びて、 シルエットを浮かび上がらせる富士山。 葡萄畑に残った松原が、 そのありがたい光景を台無しに していることがよくわかる こんな話です。 昨春、グレイス農園を訪問した際、 Ａ松くんより「あの松原がないと、 このベランダから、富士山がばっちりなんや。 地元の土地組合からは、 刈るなら好きにしていいいわれてるけど、 伐採に60万円かかるといわれて、あきらめた」 それを聞いて、筆者Ａ吹が、 「え、60万円で富士山が買える？ 安いもんやないか」 と、いかにも泉州人らしい「札びら本位制」の 下卑た発言をしたようです。 以来、地元民は、松原越しに 見えそうで見えない富士山を 「60万円富士」とか「あなぶき富士」 と呼んでいるとか。地元民といっても、 Ａ松くんご夫妻だけですが。 グレイス・ロッジのベランダ。 左手奥に、問題の松原。 200本か、それ以上あろうか 新年の近況写真付きメールは、 そんな春の出来事を思い出させ、 「もう引っ込みがつかへんな」と。 「60万円のうち、Ａ吹が20万円出す。 あとの40万円は、地元民の責任で工面し、 目障りな松原を除去する」 というエコ・プランを提案した。 「札束本位制」を謳いながら、 カネを出すのは３分の１だけと いうところに、泉州男のみみっちさが、 遺憾なく発揮されてる。 だが、この提案に、組織力と行動力で 知られた地元民・Ａ松くんは、ただちに反応、 実現に向けて動き始め、事態は意外な展開に。 その話は、次項のお楽しみとし、 １カ月後の現場葡萄畑の様子を、 最近寄せられた以下の写真に見ておこう。 それからちょうど１カ月後の ２月１日夜、関東地方に降雪があり、 翌２日には、明野にも１３cm積もりました。 今日は畑作業はやめて、写真を撮りました。 最初の写真は南アルプス、 甲斐駒ケ岳の頭上を沈みつつある残月です。 ３日前ならひと月に２度目の満月 （ブルームーンというらしい）と 重なったのですが・・・。 次は、東の空、今まさに姿を現した朝日です。 南アルプスに陽光が射し始めた７時頃、 丘の上から南西と北西を撮ったもの 最後は雪を一番喜ぶコジローです ●「あなぶき公園」計画も Ａ吹の20万円拠出提案を受けて、 Ａ松くんは、直ちに行動に移り、 まずグレイス農場の経営主体である本社に、 残金の幾分かを負担できないか打診。 もともとこの松原は、 その影が落ちる部分だけ、 葡萄の生育が悪く、 経営の足を引っ張っていたという。 本来なら、グレイス農場の 正規の資金で、全額処理すべき案件 であるという見方も出来た。 しかし、当初、お金がなかったのだから、 断念もやもうえなかった。 ともかく、本社でも、資金拠出の検討が 始まり、その過程で、60万円というのは、 数年前の相場で、いまは伐採費が もっと高騰しているかもしれない、 まず、実際にかかる費用を 調べてみようということになって……。 Ａ松くんが、直ちに行動に移り、 その結果……、費用は、 土木機器の搬入・搬出 くらいしかかからず、それに３万5000円。 その他の出費を勘案しても、 ５万円くらいに収まると。 そんだけ？　うん、そんだけ。 ぽっきり？　うん、ぽっきり。 林産土木の不況は耳にしていたが ぽっきり、そんだけ？ うん、ぽっきり、そんだけ。 なんだ、これなら本社が本来の 伐採趣旨に添って、全額出せるじゃないか。 Ａ吹とやらの札束で頬を ひっぱたくような20万円を受け入れなくても。 そういう意見が出て当然の事態となった。 い、異議あり〜。 ぼくちゃんにも、伐採費拠出に、 いっちょ噛ませて。どうしても、 20万円出したいの。もしかしたら、 生前に散財するおカネのうち、 いちばん有意義なものに なるかもしれないから、などと理屈をこねて、 無理やりおカネを送りつけてしまった。 本心は、「あなぶき富士」の冠命名権を 押さえておきたいという 「小児病的札束本位制」である。 んー、困ったやっちゃなー。 Ａ松君は、本社にＡ吹再提案をどう伝え、 どう説得すべきか思案しながら、 葡萄畑の斜面を松原からグレイス・ロッジまで、 ゆっくりゆっくり、降りてくるのだった。 以下、２月18日にＡ松くんより届いた 経過報告のメールである。 ● 本日、おカネを受け取りました。 必ず、穴吹富士及び穴吹公園の 実現のために使います。 また、明細は報告するようにします。 同時に、財産区及び北杜市に 伐採申請の書類を提出しました。 みどりさんは、ぜひ実現して、 「穴吹富士」を見たいと強く希望され、 ４月中旬の日程が固まりました。 ● 文中「みどりさん」とあるのは、 Ｓ馬Ｒ太郎さん夫人・Ｆ田みどりさん のことである。そもそも、 Ａ松・Ａ吹をめぐる奇妙な人間関係は、 みどりさんが、グレイス農場を訪れて、 Ａ松くんを発掘したことに始まった。 詳しくは、「葡萄郷の四季＝春」 を参照していただきたい。 上の相関図からも、 多くの人びとの驚くべき組み合わせ、 その運命的な人生模様の 一端がうかがえるだろう。 Ａ松くんは、伐採跡地にベンチなどを配し、 農作業の疲れをひととき癒せる 憩いの場を構想しているらしい。 それを「あなぶき公園」 と名付けるつもりらしいが、 20万円でそこまでしていただかなくとも……。 こ、これが「あなぶき富士」かぁ!!!

あなぶき・ふみお / ７期天国 / 七福会 mail to seventh heaven office