第１週

わたしは裸で母の胎を出た
また裸でかしこに帰ろう
●Nov.22,1998 Sun.
「三越湯」にゆく。番台のおやじがおしゃべり。関西のロッカー荒らしの集団が出没しているのだそうだ。割に合うのか、関西のみなさん。

尺貫法の体重計があったので、測ってみると、16貫300匁。×3.75で、61.125キロ。今朝の病院の測定では、63.5キロだったが。

不在中、Ttさん来訪、会えず。夜、Ttさん、Bb氏とともに、再来訪。

●Nov.21,1998 Sat.
午後、外出。銭湯に行く。看護婦さんの話では、近くに「三越湯」というのがあるが、お湯が熱いらしい。去年の今ごろ、広尾駅のあたりを歩いていて、銭湯を見たような気がするので、そちらへ探しにでかける。

発見。「松の湯」という。ビル仕立てで情緒にやや欠ける。385円。湯温44度。近くのがらくた屋で、高台のないおちょこ、つまり一気飲み専用を５点セット1800円で買う。帰途、「三越湯」の前を通る。情緒あり。明日はこちらへ。

不在中にSmz氏、Ymmt氏、Mr氏来訪。Smz氏とは入れ違いになり会えず。

●Nov.20,1998 Fri.
前日、食べ過ぎたところに大腸鏡用下剤をかけたため、腸の内容物が出口に殺到、出るに出られない、文字通り、ふんづまり状態となり、未明より午前中いっぱい、七転八倒の苦しみ。痛み止めの注射を打ってもらう事態に。

大腸鏡で自分のがんを見る。小指の先ほどのが２個。Wtn（内科）、Ymd（外科）の両主治医によれば、患部の前後をちょきんと切って、つなぐだけの簡単な手術とか。ついでにポリープ２個除去。正式手術は、26日（木曜）に決定。

検査を受けるきっかけとなった下痢、出血は、がんとは無関係という。つまり、がんは偶然、あるいは勘違いから発見されたことになる。幸運と言うべきか。

Mfn氏来訪。１日中、ぐったりして過ごす。

●Nov.19,1998 Thu.
胃カメラを生まれて初めて飲む。食道下部にポリープ１個あり、切除。胃の底部にちいさな炎症。十二指腸は異常なし。

夕食に北里オリジナル養生食。雑穀米のご飯。キンワ（インカ帝国の高栄養穀物）と蓮根のお吸い物。小玉葱の葛根蒸し。梔入り風呂吹き大根の南蛮毛と納豆煮。京人参のきんぴら。うの花と香味野菜の酢の物。かぼちゃの市松寄せ棗のソース添え。残さずぜんぶ食べる。

Smtさん、Hnd氏、Szkさん来訪。


●Nov.18,1998 Wed.
採血、腹部超音波検査。お腹の調子がよく、検便できず。

Mtさん、Umm氏、Tsg氏来訪。「韃靼疾風録」読了。

●Nov.17,1998 Tue.
午前中より、採血、採尿、腹部CTスキャン、胸部Ｘ線、心電図の検査。検便も指示される。

翌日未明、獅子座流星群来襲とか。北向きの窓ゆえよくは見えまいとあきらめ半分、早めに寝る。

朝日新聞、日経新聞購読申し込み。

●Nov.16,1998 Mon.
午前10時、港区白金の北里研究所病院西棟４階456号室に入院。約18平方メートルの個室。電話、テレビ、冷蔵庫、トイレ、洗面台、大小のロッカー、２人用応接セットつき。１日２万2000円。アメリカン・ファミリー保険会社が出してくれる予定。

北向き。地図によると、正面にフランス大使館があるはず。しかし、首都高速道路や別の建物が視界を遮断。遠く東京タワーを望む。

「ローマ人の物語第７巻　悪名高き皇帝たち」読了。


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