さて、三田お嬢さまが、お風呂から直接電話をかけた人物が、田中君以外にもうひとりいました。それは佐々木君でした。

「佐々木君に会いたいわあ。でも、七福会にはいらっしゃらないんですってね」と、ご不満げ。「家業が書き入れどきみたいですよ」「いいから、会わせて！」

というわけで、いきがかり上、記者（＝穴吹）が、ご案内申し上げることに。「佐々木に会いたいというてる人がおるねん」「だれや」「会うたらわかるかもしれへんけど」「ほなら、仕事が６時にすむさかい、ニッポンバシの上でどや」


というわけで、牡丹雪しきりに降りかかる道頓堀川、日本橋の夕方６時はすでに暗く、お嬢様はショールを真智子巻きにして、これじゃ「君の名は」。というわけで、２人はめでたく、デートにこぎ着け、三ツ寺町の「いほり」（上の写真）に落ち着きました。

しかし、そこにもうひとり女性客が……。佐々木夫人、９期の明子さん（写真右の左端）でありました。や、やばいんちゃう？

そしてそこにもうひとり、南校の田口親分という人がやってきました。明子夫人と田口親分、たちまち意気投合（写真下）。夫人としては、亭主に対する当てつけの意味もあったのかもしれません。

関係がよくわからない５人は、田口親分の案内で、ミナミのラウンジやら居酒屋やらを回り、歌ったり騒いだりしているのが冒頭の写真。だれがだれだか、よくわかりませんが。

田口親分は、さきごろ当地区に「ミルキーウエイ」という施設を、友達から押しつけられる形で入手、正規の仕事（金へんのかた〜いお商売です）を済ませたあと、ミルキーウエイに寝泊まりという毎日。このへんではちょっとした顔で、ぽんびきさんとも仲良し。


最後は、そのミルキーウエイに、みんなでなだれ込みました。えーと、三田お嬢さまは？　とっくに芦屋にお帰りになりました？　あっそ。

ミルキーウエイな夜 風雪に耐えて？年 ブティック・ホテルの客室は、お金さえ払えば入れてくれますが、事務室にはなかなか入れてもらえないもの（上の写真）。佐々木夫妻はそのまま勢いをつけて、「きょうはここへ泊まるで」ということになりました。 自宅から徒歩５分のところになんで、などと聞くのはヤボ。１泊6000円のところを4000円にまけてもらい、いそいそと客室へ急ぐ２人でありました。 いきがかり上、記者も泊まることに。何が悲しゅうて、ダブルベッドにひとり……。翌朝、８時ごろ目を覚ますと、「佐々木さまは、店を開けんとならんからと、７時40分ごろ、お出になりました」とのこと。出たところで、近所のおばちゃんに見つかって、「あんたら、なにしてんのん」なんて、いわれてなきゃいいんですが。