丁か半か　と　声あって
高校生は襖蔭
隣の部屋の　片隅で
小銭を張って　いたのかも
何処で　覚えてきたものか

隣家の主婦の　ご注進
高校生の二人組
窓を外して　先生の
御宅に　入って行きました
たまたま　家を空けていた
二人は　中で待っていた

年の瀬迫る　集まりで
仲間のための　カン番役
声も発せず　自からは
飲まぬに　何故か　年毎に
飽きずに　占める　固定席

先のグループは　ステーキの
馳走になったは　まことかと
責める　口調に　世の中は
外れがあるよ　と弁明を
強いられ　もらす　苦笑い

今夜は泊まりと　決めたゆえ
訓戒のため　引き留め　と
親への電話を　頼む者
担任なるは　承知だが
そこまで　仕事は及ぶのか

あれこれ　果てなき語らいを
真面目に　重ねた筈なるが
何故か　そちらは年月が
ただ　打ち消して　夢のごと