６講

「富を楽しむ」

伝道者の書５：10〜６：12
2001年9月2日

「金銭を愛するものは金銭に満足しない」（５：１０）　人間一旦金銭に心を奪われると際限なく追求する。財産を持てば持つほど付けねらわれて、奪われはしないかと夜も眠れない。「しかし、神は、この人（望み通りの財宝を持つ人）がそれを楽しむことを許さず、外国人（見知らぬ他人）がそれを楽しむようにされる」（６：２）　何と他人が自分の財産を利用して楽しんでいるではないか。また、バブルの例を出すまでもなく、事故や災害等で一瞬にしてなくなってしまうことすらある。富がその本人や他人に害になっている現実も枚挙にいとまがない。「富を楽しむ」ことからは程遠い。何と空しいことか。

そこで「伝道者」は、またまた楽観主義者に戻る。しかし、神を中心に据えた楽観主義である。「実に神はすべての人間に富と財宝を与え、これを楽しむことを許し、自分の受ける分を受け、自分の労苦を喜ぶようにされた。これこそ、神の賜物である」（５：１９）　すべての人間は富と財宝を神からのプレゼントとして受けている。どんなに貧しいと思う人でも、神から多くの富を与えられているのである。時間、能力、人格などのような目に見えない富もある。

山崎パン社長の飯島氏は主の御用に必要なものは惜しげもなく献げる人である。自宅の敷地の中に教会を建てたり、旅行中の飛行機の中で隣に座った人に途切れることなくイエス・キリストのことを話されるほど、伝道に喜びと情熱を持ったクリスチャンである。本当の「富を楽しむ」法を知っている方である。

「富を楽しむ」ための秘訣は、まず、富と財産は神から与えられたものであることを知ることである。そして富の多少にかかわらず「自分の受ける分を受ける」こと、自分の分をわきまえることである。

智恵のある者は、愚かな者より
何がまさっていよう。
「伝道者の書」６：８