以前、A新聞の片隅に、体力維持のため社内の階段を往復する記者の話が載っていたが、私も大いに実行したことがある。

一時期、やむを得ず三食昼寝付きで４階の一室に滞在していたときのこと。
ベッド上の生活が長くなったため早く体力を回復させたいと、まず長い廊下を端から端まで一日に何度も歩き回った。その次に、４階から１階までの階段を一回往復してみた。

踊り場と階との間は１１段ずつあるから、一つ階を移動するのに１１段×２＝２２段。１階から４階までは２２段×３＝６６段。 最初４階まで戻ってきたときは、足はガクガク、胸は爆発しそうに息切れ。しかし、徐々に回数を増やしていき、その内一日７往復出来るようになった。

こんな鍛錬をしたおかげで、ようやく家へ戻った翌日、娘の運転で鎌倉へ出かけたときは、鶴ヶ岡八幡宮のあの急な石段を息切れもせず社殿まで上がりきった。これは以前からの娘の希望で、本人が渡米する前に鎌倉にあるお気に入りの店に行く約束をしていたのが延び延びになっていて、やっと実現。

ところで我が家は８階建てマンション、最上階の８階にある。ここでも実行した。
階から次の階まで踊り場なしで１４段、南から北へ上っていくのみ。だから次の階段へは、反対側へ３〜４ｍ水平に移動してから上ることになる。
１階から８階まで１４段×７＝９８段。
これが意外と一気に上がれるのだ。おそらくこの長い水平移動が「休憩」になるんじゃないかな。

昔５階建て団地に居た当時は２階に住み、隣の階段の５階の家を訪れるときは、小さな踊り場を通りながらグルグル回って上がっていきフーフー言った記憶がある。「休み」なしに階段が続くからなんだろう。

今は、降りるときはいつも階段。運動不足かなと思ったときは、８階まで階段を上がるようにしている。時々、エレベーターを待っている近所の人に出会って、「えっ？」と驚かれるのがちょっといい気分。