seventh heaven

The Battle for Chinese Old and Odd Goods

新年好古玩城

風雲古玩城　続風雲古玩城
江南古玩城　春秋古玩城
春節古玩城　荊楚古玩城
蜀道難古玩城　兵法古玩城
少林古玩城

競売古玩城

水盂｜一品｜土産
北京

水盂

緑釉蛙水盂
-120年　高さ2.5cm　長径5.5cm
540元（6020円・１元＝13円換算）
北京市琉璃廠「華珍齋」

水盂など集めている者は、世の中に自分以外いないのではないか、と思うときがある。気にかかりながら、お金が切れたり、いまひとつ決断がつかないまま買いそびれた品物が、誰にも相手にされず、次に訪れた際も、同じ店の同じ場所でじっーとしているのを見つけたときである。

この水盂もそうであった。広い北京で、いや広い地球で、水盂に関心を持っているのは、自分だけ？　これに限らず、ほかの水盂も売れた様子がなく、前回と同じこの国営文物商店の同じ場所でじっとしていた。前回といっても、１カ月ちょっと前ではあるが。

前回はここで、1200元（15600円）の蓮の花の形をした水盂を10％OFFで買ってしまったので、これに手を出す経済的余裕がなかった。今回は、売れ残っていれば買おうと決めていた。当然のように売れ残っていた。水盂コレクターが、世界でほかにいないのだから仕方がない。600元（7800円）のところ、例によって10％OFF。

ラベルに「120年前」と書き込みがあった。1880年代というと清の光緒帝のころか。前回、やはり緑釉の水盂（写真左）を別の店で買ったが、同系統の作である。

色や大きさが似通っているのに加え、持った感じが、同じように軽い。どこの地方の出なのか。光緒帝時代に流行っていた様式なのかとも思う。

上の水盂の底は、４つの花弁のような図が浅く浮き彫りしてあり、見えないところに凝っている風があった。今回のは、それ以上に凝った浮き彫り（写真下）がある。梅干しマークで半ば隠れているが、水中から蓮の花が生えている図らしい。そういう凝り方も両水盂に共通している。

線刻白磁水盂
高さ５cm　長径6.5cm
700元（9100円）
北京市琉璃廠「汲古閣」

この水盂も同じ店、同じ場所でじっといい子にしていた。前回に緑釉の円い水盂を買ったのは実はこの店である。そのとき、これも目についたが、値札に1200元（15600円）とあるのを見て断念した。

江南古玩城の紹興で、150元（1950円）で入手した水盂（写真右）と色合い、形とも通じるところがあり、また釉薬の下の生地に線刻の描画があるところも一緒で、同系統と見ていいだろう。

一方が150元。それさえＳ田さんは難色を示し、120元に値切ろうとして果たせず、私が買ったという経緯がある。そして、もう一方が1200元。あまりにも差がありすぎるので、前回は断念したのだった。

この店には、水盂を10数個並べた陳列ケースがあり、前々回も２個ばかり買った。しかし、商品の動きは、私が関与する以外にない模様。やっぱり水盂コレクターは、世界に自分ひとり？　

この店は政府系ながら、強気で値切るとかなり安くなるということが経験的に知られており、今回も思い切って600元（7800円）といってみた。店番のおばちゃんが、レジにすっ飛んでゆき、なにやら書類をぱらぱらめくっている。どうやら仕入れ帳で原価を調べているらしい。そして、700元を提示。それで手を打つ。

玻璃水盂
高さ4.5cm　直径７cm
200元（2600円）
北京市琉璃廠古玩市場

琉璃廠西街の小店がごちゃごちゃ入居した古玩城のひとつのお店で、前々回に見つけた。値段は確か400元（5200円）だった。200元なら買うといってみたが、相手にされなかった。それがやはり同じ棚でじっとしていた。

しかし、店番の人は変わっていた。前々回は、おっさんが２人、愛想なく対応。今回は、おばさんがいて、しきりに英語の勉強をしていた。愛想もよかった。値段を聞くと、300元（3900円）というので、100元負けさせて、前々回の当方希望価格で購入。

粉彩獅子図水盂
高さ５cm　直径8.5
300元（3900円）　北京市琉璃廠「文盛齋」

琉璃廠に100軒以上ある古玩店中、まともな商品展開をしていて、かつ、われわれにも手の出る価格帯を揃えている店は、３～４軒であろうか。その１軒がここで、毎回覗くことにしている。前回まで「孔方齋」という名だとばかり思っていたが、看板を改めて眺めると「文盛齋」となっていた。

さらに、この店の水盂は、すべてチェック済みとばかり思っていたが、見落としはあるもので、いつも眺めている陳列ケースにこれを発見。あるいは、新しく入荷したものか？　360元（4680円）というのを値切る。

ここの若いマネジャーとは、顔見知りになり、「おまえが出せる値段をいってみろ」といわれるほどの仲になっていたが、今回は不在。休暇なのか、転勤したのか、やめたのか。しかし、その部下のようなおじさんが、おぼえていたらしく、あっさり負けてくれた。

時代はそんなにいってない模様。大ぶりなところも、レプリカめいていて、ちょっとひっかかったが、ピンクの獅子というのが斬新、また裏面の桃と瓢箪（写真上）がかわいく、まいっか、と。

粉彩牽牛図水盂
高さ５cm　直径6.5cm
400元（5200円）　北京古玩城

潘家園の先十里河橋の手前にある北京古玩城の水盂をチェックしておくのは難しい。水盂どころか、店そのものの所在をチェックしておくのすら困難だ。迷路のような通りに加え、店の改廃、経営者の移動も頻繁であるらしく、いつも目当ての店を探し当てられず、あちこち彷徨うことになる。

これを買った店も、これまで、何度も覗いているに違いないのに、店構えも、陳列も、店主も見覚えがなく、初めて入ったような印象。で、これが1200元（15600円）という。博労が馬を引いて川を渡ろうとしているところを細密に描きこんだ絵が、いままでのコレクションになく、ちょっと気にかかった。底をタバコのヤニで洗って古色を装っているが、新しいものであろう。

提示された値段では、まったく買う気にならず、買わないつもりで、400元といってみたら、店のおばちゃんは、それでオッケーだという。あちゃー、である。まあしかし、新玩とはいえ、手の込んでいるところにちょっと救いが。

豚革水盂
高さ3.8cm　直径6.8cm
900元（11700円）　北京古玩城

これも言い値は1200元（15600円）。今回、1200元というブツに何度も遭遇した。北京では、新年の挨拶みたいなものか。観光客には、まず1200といってみるらしい。

ずっと木の水盂を探しているが、気に入ったのを見つけられないままにいる。これも、お、木じゃないか、と最初思った。しかし、光にかざすと、なんだか透けて見える。なんじゃ、これ？　店番の若い娘が、おぼえたての英語で、「pig　skin」と。そして、「very　beautiful」と。

ピッグ・スキンねぇ。珍しいじゃないか。豚革を成型したうえ、模様を刻み込んである。素朴な味があり、使い込んだ形跡も。どうしても欲しくなり、価格を応酬した末、上記値段でで折り合った。

純銀魚形水盂
高さ4.5cm　長さ８cm　幅４cm
600元（7800円）　北京古玩城

今回入手の水盂中、もっとも愛着を覚えている。難がないわけではない。純銀製という触れ込みだが、果たしてどうか。側面の鱗模様に、やや大味な感じがしないでもない。が、手に持ってほどよい大きさ、愛嬌のある表情、使い込んだ形跡もあり、もとの使用者の愛惜が伝わってくる。こんな古玩が、実はいちばん好きなのだ。

800元（10400円）の値札がついていた。店主夫婦が、何度も顔を見合わせた末、200元引きで成約。この店、もう少しじっくり見れば、ほかにもなにかあったかも知れない。しかし、時間がなく、引きあげる。次回も訪ねたいと思うが、店を発見できるかどうか、自信がない。

醤釉青磁水盂
-80年　高さ７cm　直径5.5cm
162元（2086円）　北京市琉璃廠「華珍齋」

冒頭の緑釉蛙水盂を買ったついでに、安かったので入手。値札180元（2340円）の10％OFF。文人が墨壺に臨んで酒を飲んでいるか、居眠りをしているかのデザインは、わりとよくある。これは、表情やら手足やらが判然としない。ラベルに「80年前」との書き込みがあり、民国時代のものらしい。

水盂総覧
総額3802元（49426円）　１個当たり475元（6175円）

単価はどんどん高騰する傾向にある。店頭価格が上昇しているせいなのか、買い方が大胆になっているためなのか、一層だまされやすくなっているのか。しかし、世界でたたひとりの水盂コレクター相手に、市場がそんなに動いていいものか。ちゃんとカウントしたことはないが、もう100個くらい溜まったのではないか。

水盂｜一品｜土産
北京

一品

青花牡丹紋瓶
蓋つき　高さ23.5cm
800元（10400円）　北京古玩城

前回の少林古玩城、鄭州の河南省文物商店で入手した青花瓶２点と同系統のものである。当初から、Ｔ村秘書が、「首のところが太くてヘン」と、アンバランスの指摘があった。今回、その謎が判明。本来は、帽子がついていたのだ。帽子をかぶせると、下の写真のようになる。

北京古玩城の４階。夫婦か恋人同士か、若い男女２人でやっているお店で、同行のカメラマンＳ氏が、玉の飾り物を買った。1500元（19500元）を1100元（14300円）に値切ったとはいえ、高い買い物である。Ｓ氏はもともと古玩好き。とくに玉が好きで、琉璃廠でもえらい高い玉の蝉を買っていた。

Ｓ氏は、現金がなくなったので、この店ではカードで支払う。その手続きを待っている間、なんとなく棚に目をやると、この瓶があった。値段を聞くと、例によって、1200元（15600円）である。

帽子と本体の柄がなんとなくそぐわず、本来別々だったのかもしれないが、そういうものなのかもしれない。タバコのヤニ汁で洗った形跡が明瞭。しかし、胴に経年による細かな当たり傷があり、無理にヤニで洗う必要はないのにと思う。

鄭州の２点（写真上）と比べ、フォルムも柄も少し緊張感に欠けるところがあり、それまでに出費がかさんでいたこともあって、断られたらあきらめるつもりで、800元（10400円）といってみた。夫婦はちょっと顔を見合わせ、「玉の飾り物も買ってもらったし」というようなことをいって（たぶん）、その値段で折り合った。

鄭州の瓶より割高ではあるが、帽子がついているし、北京でもあるし。というより、鄭州のがやっぱりお買い得だったということなのだろう。ちなみに、店の夫婦はこれを「乾隆、乾隆。いい買い物」といっていた。鄭州のも乾隆ということだったが、よーわかりません。

白釉童子俑
-100年　高さ7.5cm
90元（1170円）　北京市琉璃廠「華珍齋」

緑釉蛙水盂を買ったついでに、買う。値札は100元（1300円）。いまどき、100元という値段には、まずお目にかかれない。別に欲しくもなかったが、まあ100元ならよかろうと、買ってしまった。ラベルの書き込みによると、100年前、19世紀末から20世紀初頭のものらしい。何に使う？　さーね。100元、しかも10％OFFなんだから、そんなのどーでもいーじゃん。

水盂｜一品｜土産
北京

土産

Ｓ藤さん依頼品
純銀太極鼻煙壺
縦５cm　横4.5cm
200元（2600円）　北京古玩城

暮れの忘年競売会で、急遽、北京に出張することになったと明かすと、怨嗟の声が澎湃としてあがった。みんな、ことばの通じない外国で仕事をすることの困難さを全く理解していない。買い物に出かけるのとわけが違うのだ。なのに、あれ買って来てくれ、これ買ってきてくれと。

Ｓ藤さんからは、お金をいくばくか押しつけられた。なんでもいいから、この範囲で買ってきてほしい、お釣りは餞別にと。やったー。で買って帰ったのがこれ。350元（4550円）という言い値はいかにも高く、値切りにかかるが、人の金だということで、もうひとつ真剣に値切れず、一方で値切れば値切るほど自分の取り分も多くなるという心理も働き、まあこのへんで妥協。

Ｓ藤さんの好みは、太極マーク。この鼻煙壺は、匙もちゃんとついており、ほぼ完品。適当なチェーンをつければ、ネックレスにもなるだろう。ただし太極マークのはめ込みが見かけほどしっかりしておらず、ぽろりと外れる恐れあり。実際、いちど外れた。

翡翠堂依頼品
ソフト帽グレー
サイズ58　羊毛70％　綿30％
98元（1274円）　北京市王府井「盛錫福」

ソフト帽こげ茶
サイズ58　羊毛55％　兎毛45％
128元（1664円）　北京市王府井「盛錫福」

頭がひとつしかないのに、どうしてそんなにたくさん帽子をほしがるのか、翡翠堂。11月に北京を訪れた際、王府井の老舗帽子屋で、98元のソフトを買って以来、ソフト・コレクターに。どんなんでもいいから、買ってきて欲しいと依頼された。

その店は「盛錫福」といい、中国の歴代要人の帽子を作ってきた。ショーウィンドウに、そんな帽子のレプリカや写真が飾ってあり、いつも客で込んでいる。いくらなんでも、98元のばかりじゃなあ、と、大衆向けソフトではいちばん高い128元のものも一緒に買って帰る。トランクに無理やり詰めて、ちょっとひしゃげたが、トランクから出すと、たちまち復元。いいものかも。

Ｓ田さん依頼品
人体生物節律調節剤「神寧」
天津市済中神寧生物行程有限公司製造
68.6元×10＝686元（8918円）　北京市王府井「金象大薬房」

瓶の中の液を親指の付け根にひと垂らしして、くんくん匂いを嗅ぐ。すーっとするんだそうだ。匂いは確かに強烈で、５メートル四方が匂い、それが長時間続く。麻薬と違うのか、それ？　わずかしか入ってなくて、68元６角（892円）というのは、いかにも高いが、こういう神秘系にはお金を惜しまないＳ田さんからの特注。お店は、帽子屋の斜め向かい。

北京市
公元2004年12月30-2005年1月3日

●琉璃廠　今回の北京行きは仕事の出張であり、古玩には手を出さないつもりだった。しかし、取材先の虎坊橋は琉璃廠の南、歩いて10分のところ。ホテルから車で行くと、どうしても通り抜けなければならない。しかも、道路混雑を予想して早めに出たところ、１時間も早くついてしまい、やむなく琉璃廠で時間をつぶす羽目になった（実話）。

正月の琉璃廠は、いちおう国旗などを掲げて、新年体制（写真上）。しかし、槐の葉は完全に落ちて、春から秋にかけての様相とは一変、寒々とした光景だった。時間があるので、いままで行ったことがなかった西街の端まで歩く。わりあいよさそうなものを並べている店があったので、ちょっと物色。

おばちゃんは、値段を聞くたびにちょっと考え、電卓の数字をぽんぽんと押す。それが、2500とか3500とか、ちょーべらぼー。間違いなく100～200元クラスの水盂も、2500。おばちゃん、遊んでるんとちゃうで。あきれてものもいえず。わりあいいいものを置いているだけに惜しかった。琉璃廠の裏通りには、風情のある胡同（写真下）が多い。ぶらぶら歩いて虎坊橋へ。

●王府井　王府井で帽子屋と薬屋を回っていると、携帯電話（FORMAは国内と同じ番号でかかり、使用料も割安）が取材先からかかり、みんなで宴会中だから来ないかと。帽子を買っているむね説明、その後、ただちに現場の虎坊橋に向かおうとしたが、タクシーが全くつかまらない。

やむなく、地下鉄・王府井→建国門乗り換え→和平門（琉璃廠の最寄り駅）と回る。そこでもタクシーがなく、輪タクで現地へ。足代は、地下鉄３元×２人、輪タクが２人で10元の計16元。タクシーとほぼ同額だった。

北京盛錫福帽廠

零下10度に迫る酷寒にも関わらず、夜店は繁盛していた。よそでは見あたらないゲテモノ、イカモノに刮目。ヒトデの串焼きを売る店（写真下）が２軒あった。「ハイシーン（海星）」と中国人の子供が大声を上げて驚いていたから、きっと現地でも珍しいのだろう。

ヒトデの串焼き

上段左から：苺とキーウィ、苺だけ、
ムカデ、蛇の剥き身、蚕の蛹
下段左から：正体不明の魚、見たことない魚、
タツノオトシゴ、バッタの成虫

写真上の店はゲテモノ専門店なのか、ムカデ、バッタの成虫、カイコのさなぎ、タガメを並べ昆虫採集のケースみたいだった。蛇のむき身（皮を売る店も別にあった）、タツノオトシゴ、名も知れぬ魚類、雀……。ゲテモノ好きではあるが、ちょっと食指が動かなかった。

●潘家園　「琉璃廠みたいなところ、ほかにないの？」と尋ねたのは、同行のカメラマンＳ氏である。先にふれたように、Ｓ氏も古玩好き。「ありまんがな、ありまんがな」と、今回は訪問の予定が全くなかった北京古玩城へ案内。ただ案内するだけのつもりだったが、以上に書き連ねた通り、自分も散財する結果となったのではありました。

迷い込んだ北京古玩城の袋小路で発見。
これ、多少銭？

水盂｜一品｜土産
北京

風雲古玩城　続風雲古玩城
江南古玩城　春秋古玩城
春節古玩城　荊楚古玩城
蜀道難古玩城　兵法古玩城
少林古玩城

競売古玩城

７期天国 / 七福会

mail to seventh heaven office