12講

「知恵ある王、愚かな王」

伝道者の書１０：１〜２０
2001年10月14日

「王をのろおうとひそかに思ってはならない」（伝道者の書10：20）　また「王の命令を守れ」（同８：２）　「伝道者」は、王、権力者に対する批判はしても、従うことが良いことだと考えている。それは、新約で使徒パウロが語った「人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威もすべて神によって立てられたものです」（ローマ13：１）と通じる。私たちは建てられたリーダーを認めた上で、その人が正しい道、すなわち神のみこころを行なうことができるよう祈るのである。

その道の専門家でも油断したり、知恵がなければ失敗する（伝道者の書8〜11）また、知恵があると自負したり、知恵がないのにあるように見せるのは愚の骨頂である。王など上に立って人々を導く立場にある者は、知恵ある人々を適材適所に用いるべきである。特に、王が若い場合、その側近が知恵を出さねばならないが、朝から宴会ばかりやっていては国は滅びる（伝道者の書10：16）。

分裂後のイスラエルの南王国（ユダ王国）で悪い王の代表とされるマナセ王。異邦の民の忌み嫌うべきならわしを真似たり、子どもを残酷な方法でささげたり、まじないや霊媒に心を奪われたりした（２列王記21章参照）。逆に、善い王の代表ヨシヤ王は、祖父マナセの行なった悪をことごとく取り除いた。「彼は主の目にかなうことを行なって、先祖ダビデのすべての道に歩み、右にも左にもそれなかった」（２列王記２：１〜２）　聖書が記す王の善悪の判断は、王がどれだけ神に聞き従い、民を導いたかによる。北王国（イスラエル王国）には一人も善王はいなかった。南に対抗するために、すべての王が金の子牛を造って拝んでいたからである。神は偶像礼拝を最も嫌われる。

私たちの従う王は、「王の王」であるイエス・キリスト。賢い王の最高峰。私たちの知恵の源である。この方をいつも見上げて見失うことなく、まっすぐ進もう。

愚か者はよくしゃべる。
「伝道者の書」１０：１５

A fool also is full of words:
ECCLESIASTES 10:14