チングウ
2002年５月５日

千日前を歩いてたら、「チング　友へ」という韓国の映画がかかっていた。

チングとは韓国語で親旧とかいて、旧い親しい友達、親友という意味だ。この言葉を知ったときから愛着をおぼえ、題名が気になり、入ってみた。平日のまだ夕方、ガラガラで数人の客しかいなかった。

小原の映画評論じゃないが、あらすじはガキ四人が仲良しで、高校生になって二人がやくざになって、一人はそれなりに社会にでてゆき、もう一人の秀才がエリートの道を行く。やくざになった二人が最後は対決して、ひとりが死ぬ。何年も前の東映のやくざ映画そのものでした。やくざ映画が好きだったわたしには、そこそこおもしろかったが、映画としてはどうって言うことも無かった。

格さんが創った詩？に"チングウ"がでてくる。それでこの単語を知った。詩としての評価は、勝手にやってください。わたしは彼の創ったなかでは、いたくお気に入り。


韓国の友

親友は　韓国語では
「チングウ（親旧）」だ

チングウは　お互いが
相手に　本当に　迷惑をかけ
相手から　本当に　迷惑をかけられる
そんな　間柄のことだ

しかも
一度の出会いで
チングウになることもある

昔　日本でも
友達とは
そんな風な　ものだった





チングウなんだから、迷惑をかけたりかけられたりする。
迷惑をかけたりかけられたりするうちに、チングウになる。

これは、格さんがチングウになったある韓国人をイメージして書いたもののはずです。格さんは彼から受ける迷惑をものともせず付き合っている。わたしにも彼とチングウになれと押し付けるのだが、わたしは彼とはまだチングウの域にはなれないでいる。

わたしも格さんには、十二分の迷惑をかけた。以前格さんのことを、先生でも友達でもない存在と書いたこともあるが、いまならチングウになるんだろう。
嫁さんもチングウみたいなもんだ。

わたしにもいっぱい迷惑をかけた、そしてすこしはかけられたチングウがいる。迷惑をかけたときは分からないが、かけられた時、その迷惑が嫌でないなら、しゃーないと受け容れられるなら、そいつとはチングウなんなのだ。嫌悪感の有無が、わたしなりのチングウの基準だ。

酒癖の悪い奴、女癖のいいやつ、お金にルーズな奴、えらそうに言う奴、わたしみたいにええかげんな奴、チングウは多いほどたのしい。これからもあっちこっちでチングウ作りをしたい。

追伸
編集長に送ろうかとメールを開けると、チングウ助山の書き出しのメールが届いていた。先日わたしの心無い一言でAを泣かせてしまった。傷ついたAと何回かメールのやり取りをした。友達だからなんでも言ってしまうとそしてチングウになろうよと。どうやらAもわたしをチングウと認めてくれたみたい。