玉川高島屋の中にあるＫカメラ店のショ−ウィンドウで「IXY320」が目に入った。以前からIXYには興味があったが、これは３月末に出た新製品。２倍ズ−ム、170g。

いま持っているのは380gだから、半分以下の軽さだ。デザインも更に洗練されている。買い換えようと決心。三田の母も、フィルム装填が簡単なのを欲しがっていたので、IXY210を一緒に買うことに。ズ−ムはないが、その分115gの最軽量。

Ｋ店では、320にISO200（いつも400しか使わない）の25枚撮りフィルム３本が付いて、36800円。但し古いカメラを2000円で下取りすると言う。210は17800円。税込みで計55230円。

インターネットでメーカーや量販店のホームページを見てみると、カード会員（入会無料）にはキャッシュバックの制度があると知る。夫が、持ってるよと、Ｙ店とＳ店のカ−ドを出してきた。パソコン用品をよく買うからだ。

Ｙは税金を入れた値段の10％バック。Ｓは（多分定価の）５％バック。別の物を探している時に、引き出しからＢのカ−ド（定価の10％バック）も出てきた。何を買ったんだか。カ−ドなんて、１枚も無いと思っていたのに。

IXYは人気商品だというので、電話をして在庫を確認。その時点で、Ｙ上野店が、新宿本店より更に安いことがわかった。「地域性がありますから」とのこと。

となると、Ｙ上野店では税込み55597円。5559円戻るから、50083円。Ｂ渋谷店では税込み57540円。5480円バックで、52060円。Ｋ玉川店は問題外で、電車賃を考慮しても、「近くの渋谷より遠くの上野」（こんなことばっかり言ってる）と言うことになる。

上野に出れば、あの炉端焼きの店にも行ける。以前の深夜日記で、炉端焼きの一件を書いたのを、覚えていらっしゃる方もあるだろう。２カ月ばかり前、その店で代金を払いすぎ、電話で交渉した末、3000円を返してくれる約束になっていた。

実は、その時一緒だった友達が、私の旅行中、一人で取り返しに行ったのだと言う。帰る早々、私を驚かそうとの魂胆らしかった。しかし、開店前のお店に入ろうとすると、店の人に「まだやってませんよ」と一撃。「あの−、△△さんは？」と聞くと、「辞めました」。

△△さんというのは、私が電話で交渉した人で、店に来た時はその名前を言って欲しいと言われていたのだ。その人が辞めて、もう居ない！友達は、びびって、何も言わずにそのまま帰って来てしまった。以後、上野へには近づきたくないと言う。

私はそれでも、機会があったら交渉だけはしてみようと思っていた。担当者の△△さんは辞めたとはいえ、それは電話に出ただけの人。レジで計算を間違えた人は、別の人かもしれない……。

友達は、「もう無理だと思う。あきらめましょ」としきりに言い、私に上野へ足を向けさせないよう、いろいろ工作した。「あなたは一緒に来なくていいわよ。私が一人で行くと言ってるんだから」と言っても、嫌がった。そんなに恐い雰囲気だったのだろうか？

しかし、結局、IXYは渋谷のＢで買った。渋谷に出た際、早く手に入れたくなったのと、わざわざ時間のかかる上野まで行くこともない、と思ったからだ。これでますます上野は遠くなった。

ところが、ひょんなことで、当の炉端焼きの店に行く機会を得たのである。

連休の始まった５月１日。朝、暫く音沙汰の無かった友達から、亀戸の藤の花を見に行こうと言う電話が入った。もう１人の仲良しに早速電話。いい具合に当日の約束がまとまった。

渋谷で待ち合わせ、山手線の秋葉原経由で、亀戸の駅に着いたのは、正午過ぎ。先ずは、亀戸天神に向かう。大変な人出。帽子にリュックの中高年。杖を持ったお年寄り。若い人は？居ない。鳥居をくぐると、どこもかしこも藤、藤、藤。まだ咲き揃ってはいないが、充分に見事である。

満喫した後、昼食。来る時に秋葉原を通ったので、上野が近いことを思い出した。

同行の友達は、いつも深夜日記を読んでくれている。「あの炉端焼きの精算、まだしていないのよね」と言うと、ついて行ってくれると。「うさぎや」のどら焼きと「花月」のかりんとうも買えるので、行こう行こうとなった。

で、炉端焼きの店である。「準備中」の札がかかっていたが、扉は開け放たれ、お店の人が沢山居た。「だいぶ前に来た者ですが、お勘定が違ってたのでお電話をしたら、返金して下さることになってたんですが」と、食べた物と値段のメモを見せる。

「ちょといいですか？」とメモを取って、計算をし始める。「何名様ですか？」「２人です」「お通しの値段が入ってないんですよ。600円ですから9600円になりますね。12000円なら2400円返金させて頂きます」。領収書もないのに信用してくれ、お金を渡しながら、「済みませんでしたね」とも言ってくれた。何ということもなかった。

違う店で夕食、私の返金分1200円を、ついて行ってくれた友達のために使ってしまおうとしたら、「せっかくあなたが取り返したお金だから」と遠慮された。それじゃ帰りの切符だけでも、と私が買って一件落着。やれやれ、気分すっきり！

帰宅後、びびった友達に連絡。「恐れいりました。えらい！」とほめられた（茶化された？）。