「釜山」 その地名は いつも 一挙に 連想を呼び起こす その町の住人にして旧知の 姜（カン）さん 李（イ）さん 曹（チョ）さん の顔とその声 名前までは無理な何人かの 顔とその声 定宿の小母さん の顔とその声 「旅館」近くの 早朝開きの 「食堂」の小母さん の顔とその声 連想は 釜山の町並み 横丁 港 背後の山々 そこで一服した 街角の小公園と とめどもないが 主役は やはり 人々の 顔とその声 釜山は 私の故里 故里とは 心の存する土地
