先日帰省の折、友達とカラオケに行った。そこは彼女の行きつけのお店で、前回の帰省時にも、一緒に行った。夫の実家、彼女の住まい、私の以前の住まいのあった所、の近所なので、場所としてはなじみ深い。住んでいる頃は、そんな店は無かったと思うが。もっとも、その頃はまだ暇がなかったので、カラオケなど、どんな所かも知らなかった。

その店には、採点装置があった。お金を入れれば採点する機械には出会ったことがあるが、そこはその必要がない。最初に指示された番号「700000」を入れると、最後の曲まで採点してくれるという。他所で１、２度採点されて、ろくな点が出たことがないので躊躇したが、気心の知れた仲。やってみることにした。

最初に私は何を歌ったんだか、いきなり93点！えっ？うっそー！

私の声は甲高い。従って、高い声の曲を選ぶ。今井美樹とか、テレサ・テンとか。谷村新司なんかも歌う。男性の高い声の曲は、そのままだと高すぎ、１オクタ−ブ下げると低すぎて歌えない。かと言って、変調などしても、どの辺が丁度良いのか判らないので、いつもあてがいぶちである。

その時も、そんな曲を選んだ。最初は高すぎて、ヒ−ヒ−声。音程も乱れる。高い声でわめいていただけ。はっきり言って滅茶苦茶。途中からは、音の高さが合って来たので、だんだんまともになってきた。結果は…？　95点！　やったー！

この日のこの店のお客中の最高点だそうだ。昼間から歌っている客は、多くはなかったから、威張れるものではないが、それでも、過去の最高点が97点とか。肉薄！

でも、この機械、一体どうなってんの？！

友達は低音でボリュ−ムのある声。風邪気味で声が出しにくいようだったが、情緒的に歌い上げる。ものにしている曲がたくさんある。しかし、結果は80点前後だったりで、なかなか高得点にはならない。

私の方は、その後も90点台続出。と言うより、歌う歌、歌う歌、90点台が出るのである。何曲歌ったかは覚えていないが、80％くらいは90点以上だったように思う。加藤登紀子のように、ちょっと低めの曲を歌うと、80点を割ることもあって…。

「この機械、高校の時の××先生と一緒で、あんた、ひいきされてんちゃうん」と友達はいう。……確かに、この機械は高い声をえこひいきするようなのである。途中からはそれを意識して、選曲した。で、目論見通りだったという訳。彼女の方は、１度だけ90点が出たが。

カラオケの採点の機械は、調子っぱずれでも、大声で歌いさえすれば良い点が出る、と聞いたことがある。プロの歌手が歌って点数が低かった、と聞いたこともある。だから、機械なんていい加減、と信用していなかった。でも、高得点が出るとそんなことを忘れ、もうご機嫌！　いい加減でも何でもいい。高得点の方がいいに決まっている。終始ニコニコ。

よし、次回は「夢一夜」を歌ってみよう。かなり高音で苦しい曲である。彼女に、そうメ−ルを書いた。彼女からは次のような返信メ−ルが届いた。「あんなに良い点数ばかり出たのだから、もっともっとカラオケぶいぶいになって、荒らしまわるのでは、ありませんか。この次が楽しみですね。一度、高い声で叫んでみるのも面白いですね。そしたら100点がでるかも」