先日、はじめて女性専用車両なるものに乗りました。友人と京都の河原町へ出かける用があって、昼前に、阪急・桂駅から乗りこんだ車両がたまたま「女性専用」だったのです。世間で悪評の高い、「車内での化粧」「香水フンプン」「大声しゃべくり」「飲食」などはなく、とても静かな落ち着いた雰囲気だったのですが、見渡す限り女ばっかりという眺めにはとても異様な感じを受けました。

「な、なんだ、この女湯状態は！」とでも言いたい感じ。男女７歳から席を同じくしている身には、やっぱり視界にニイチャンもオッチャンもオジイチャンもいる方が自然で落ち着きます。友人も「女性専用車両はラッシュ時の痴漢対策だけでいいよね。なんか気色悪い。昼間は要らんね」と。私も同感でした。



その友人が、別の私鉄の女性専用車両に乗った時の話をしてくれました。

やはり昼間だったそうですが、少し混んだその車両に一人のお爺さんが乗り込んできて、ヘッチャラな顔で、座席の隙間にお尻をこじ入れて座っちゃったとのこと。そこへ車掌さんが通りかかって、そのお爺さんに、ここは女性専用車両だから申し訳ないけれど移動してほしいと頼んだそうです。そしたらお爺さん、いかにも意外なことを聞くもんだという表情で、顔の前で手をヒラヒラ振りながら言ったそうです。

「え？女性専用？　ワシなんか、もうネ、男も女も関係おまへんのや。とうの昔にアガッてしもたから・・」（男性も、なんかアガッたりするのでしたっけ？！）

これを聞いた車内の女性たちは大爆笑。それで、そのお爺さんは結局オトガメナシになって、ずっとその席に座って目的地まで行かれたそうな。

なんとも愛すべきお爺さんではありませんか。



七天男性諸氏もこの手を使えるかもネ。

温泉などへ行った時、知らん顔で女湯へズカズカと入っていく。とがめられたら「え？　女湯？　ワシら、もう男も女も関係無しになってるもんやから、えらいすんまへんなあ・・」とか言いつつ、キョロキョロと目の保養をしながら出てくる・・・。

でも、たぶん駄目でしょうね。さきのお爺さんみたいに、そのセリフを吐いて笑って許してもらえるようになるには、まだまだ「枯れ方」が足りなかろうと思います。

男も女も56歳というのは、なんとも中途半端な年頃です。それなりに「勤続」疲労もたまってきて、さすがにピチピチ、ナマモノというわけにはいかず、かといって枯れて「乾物」になってるわけでもなく、まあ言えば「一夜干し」ぐらいの乾きようで・・。

とはいえ、七天男性諸氏の中には、隙あらばナマモノにも戻ったろか！　家の外ではナマモノじゃー！という気迫も色気も十分感じられる方も散見されるので、やっぱりあと３０年ほどは、女湯もラッシュ時の女性専用車両も遠慮してもらいましょうかね。