請勿詰難 請勿返品
雅虎拍売城
公元2005年２月
カナ気特集
古唐金阿片吸引美人紋盤３枚
伝民国 縦23.5cm 横17cm
初値1000円→落札 送料640円
古唐金などと大層なことをいっているが、要するにブリキに毛が生えたような金属の皿である。表面、裏面を問わず、細かな錆が無数に浮いて、点描派の絵画のようにも見える。それだけ、年季は入っているのだろう。民国かどうかは別にして。
ただ、描画がいいのである。線が巧み。高貴な女性が阿片らしきものをを吸っていて、召使がうしろから団扇をかざしている。目の線と肩の線がよろしい。後方の鳳凰と牡丹の描写もまあまあ。
誰も入札する気配がないので、上限2000円を指し値しておいたところ、競争相手が現れないまま落札。３枚組で1000円なら、まいっか。何に使う？ さー、どしましょーかねー。
古唐金京劇盤２枚
伝民国 縦17cm 横23.5cm
初値1000円→（2入札）→落札1300円 送料上記と同梱
上記の皿と全く同系統の製品である。こちらは、先に入札者がいて、競るというほどのこともないやりとりがあった後、落札。２枚組みで1300円というのは、先のに比べると、倍ほど高いことになる。
 それでも手を出したのは、図柄が京劇のシーンを描いたものだったからだ。最近、京劇に興味を持っているのは、周知の通り。京劇に取材した古玩がごくまれに出ていて、かつて、「盗御馬」を描いた額入りの絵を買ったことがある。梅蘭芳の似姿を描いた陶枕も見たが、稚拙なプリントだったので、それはやめた。
とにかく、京劇ものは一応おさえておこうと……。収集領域の新たな展開か。この皿が描く演目は不明。左端は、「武生（ウーション）」と呼ばれる武将の二枚目、右端は、「浄（ジン）」と呼ばれる隈取り役。いずれも、描画がしっかりしている。
 
古銅墨盒
直径５cm 高さ６cm
初値1000円→（8入札）→落札2900円 送料740円
明代という触れ込みである。大名家伝来という触れ込みである。標準的水盂と同サイズの墨盒、つまりインク壺である。触れ込みをまるまる信用するわけにはいかないかもしれないが、使い込んだ銅の光沢と緑青の吹き具合が好もしく、また蓋のネジ山もしっかり切ってあって、ぴったり閉まる。
隣席の骨董好き同僚（ヤフオクだけで、すでに20万円を投入＝実話）も、「なかなかいいもの」との見立てで、安くは落ちまいと２人で話していた。いちおう3000円の指し値をしておいたが、落札は無理と踏んで、締めきり当日も特に注目せずうっちゃっておいたところ、「おめでとうございます」のメールが入っていた。送料込みでこの値段なら、まあいい買い物というべきか。
純銀蝙蝠桔梗紋墨盒
伝清末−民国 長径4.3cm 高さ２cm
初値1000円→（19入札）→落札4900円 送料740円
上掲の古銅墨盒と同じ出品者。この出品者は、ほかに、筆架兼用水盂とか、古銅を透かし彫りした球形の蟋蟀籠とか、のちょっと面白い金属製品を、リーズナブルな初値で出しており、このところ注目している。
19入札とあるように、競り合いの末に落とした。締めきりまで５分を切って、なお競り上げると、締め切りが10分延長され、競り合い続行というルールがあり、それを２度ばかり繰り返した。最後は上限5000円に指し値して、それ以上で応じてきたら、あきらめるつもりでいたところ、競争相手が直前で降り、落札できたのだった。
その競争相手とは、筆架兼用水盂でも競り合い、そちらは1200円で譲った。相手は、蟋蟀籠にも応札、こちらより激しく競り合い、１万円をうかがうところまでいっていたので、そちらを優先して、この銀製墨盒を断念したものと推察される。蟋蟀籠は落としたようである。
桔梗の花に蝙蝠が絡む図柄である。全体は、蝙蝠ゆかりの桃の実の形をしている。桃の蔕に当たるところに、蝶番がついていて、開閉できる。経年から、やや締まりが悪くなっているが、まあ、やもうえないところだろう。この手のものは、あまり見たことがない。
裏面に「天津華盛」という製造元と、純度を表しているのか「紋銀」という刻印がある。出品者は、「純銀といっても、当時に技術から銀100％というのではなく、銀を主にした合金です」と但し書きをつけており、正直者でもある。
|