「ノッコ」と呼ばれ始めたのは、中学生の頃だったから、もう40年も「ノッコ」を称していることになる。夫の母や兄弟のお嫁さんは「ノリコさん」といってくれるが、親しい友人にとって、私は「ノッコ」以外の何者でもない。

ところが最近、その愛称が変な方向に増殖しかけている。

去年の夏から年末にかけ、両親の引っ越しやなにやらで、頻繁に関西にゆく機会があった。続けて20日前後も逗留することがあったが、もちろん引っ越しの手伝いばかりしているわけではなかった。

両親の引っ越し先が芦屋で、夫の実家も芦屋。それは便利でいいのだが、私を40年来「ノッコ」と呼ぶ友人もまた、近所に住んでいた。その友人が、いろいろとスケジュールを組んでくれ、あっちに出かけ、こっちに出かけ、それまで行ったところのない町にも足を伸ばして大忙し。両親や夫の母とゆっくり過ごす時間がないほどだった。



そんな関西での行状を、何人かにメールで流したところ、ひとりから、「なんか遊説みたい。いっそ大阪府知事選挙に立ったら？」とからかわれた。とっさに、「そう、横山ノッコという名前でね！」と反応。ちょうどノック知事がセクハラ裁判で辞任したころだった。

その「横山ノッコ」を、冗談でメールの署名に使っていたところ、もっと悪のりする人がいて、「横山ノッコ・アニメ」まで作ってしまった。はげた額にくるんと巻いた毛がへばりついた、おなじみの髪型である。選挙のシンボル・マークに使えというのだろうか。

まあ面白いので、これもメールに張り付け、笑いそうな人に使った。それから先、勝手に流通したケースもあると、後にわかる。



そして先日、「深夜日記」にほくろを取った話を書いたところ、読んだ友人からメールが。「美白に走るあまり、三田その子にならないでくださいね」。三田その子、、、鈴木その子、、、おおっ、「鈴木ソノッコ」じゃないか！

カルいやつ、と笑ってください。そう、私はもともとカルいんです。みんなどう思っていたのか知りませんけどね。

ところで、「横山ノッコ・アニメ」を私が愛用していると知ったある友人が、「おばはん、なに考えてるんや？」といったらしい。おばはん？　おばはん、ですとーっ？　私は「横山ノッコ」でも「鈴木ソノッコ」でもかまいませんけど、「おばはん」だけは許しませんぞーっ。