請勿詰難　請勿返品
雅虎拍売城
公元2005年10月

指し値特集

バカなものばかり掴み、ヤフオクをしばらく謹慎していた。しかし、それでましなことにお金を使うかというと、もっとつまらないところへ投入。飲んだり食ったりするより、形で残るだけましか、と、そろりそろり再開。同じバカを繰り返していちゃあ、ほんとのバカなので、ここまでなら出していいという額で指し値、あとは競り合わずに結果待ちということにしてみた。

文楽を取材したこともあって、人形の頭の適当な出物があれば、ひとつ欲しいと思っていた。これまでも幾度か機会があり、４万円近くまで競り合って敗退していた。出品があまりない一方で、執拗に集めているコレクターがいるようで、なかなか落とせないのだ。

これもまあ、落札できないだろうと踏んで、1000円の出発時点で、１万1000円の指し値をし、経過もろくにチェックせず、ずーっと放っておいた。締めきりの前々日くらいまで、初値のまま推移していたと思う。それが、締めきり当日、一挙に１万500円、指し値のすぐ後ろまで迫ってきた。

うーん、このマジノ線もすぐ突破されるなあ、と何かの用事で出かけ、半ば忘れかけていたところ、携帯に「おめでとうございます。あなたが落札しました」のメール。鼻の差の芸術的落札となった。

写真からもわかるように、なかなかよい顔をしている。髪の造りも念入りで、その形から見て、娘役の頭であろうか。顔の表面に、黄色いシミが点々と浮き出し始めているが、そんなに古いものではなさそうだ。

実際に使うためというより、観賞用に造られた可能性もある。女の頭の場合、実用品は、口の端に針が小さく出ていて、そこに袖を引っかけて泣いたりする仕掛けになっている。これには、そんな針の形跡がない。

まあ、観賞用であって、ちっともかまわないのだが、どうディスプレーするかが、難しい問題だった。文楽劇場の楽屋では、長く太い竹の上端の穴に胴串を突っ込んで保管していた。出品写真を見る限り、観賞用には、後ろから頭を支持固定する専用の道具があるようでもある。そんなの、どこで手に入れればいいの？

近所のホームセンターへ出かけ、なんぞ役に立つ器具はないかいなと探してみた。まず、クリスマスツリーの幹を立てる器具。ちょっとバタ臭い。宣伝用の旗のポールを立てる器具。でかすぎ。有力候補として、先端を突っ込むタイプの傘立てを物色したが、デザインがいまひとつだった。で、最終的には、シャワーのノズルを引っかけるこの器具（下の写真）。なかなかの名案だった。さっき、地震があって、家が激しく揺れたが、ホールドがしっかりしていて、人形は無事だった。



ここだけ見ると、立派な書斎に見えるが……

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神将木像
伝江戸期　高さ15cm
初値1000円→３入札→4300円落札　送料800円
指し値5600円



隣席の骨董好き同僚とヤフオクを閲覧していて、うん、これいいんじゃない、という話になった。でも、どうせ高くなるんだろうな、ということでも意見が一致した。出品者は、水準の高い品物を、継続的に出してきている業者で、たいてい手が出ないほどの高値になるのだった。

ままよ、落ちたらおなぐさみと、5600円で指し値して、放っておいたところ、「おめでとうございます」のメールで、ええっ。届いてみると、持った感じが軽く、彫りも出品写真で見たときより、やや拙い。そんなに古いものでもなさそうだ。まあ、よくて値段相応、あるいは、ちょっと高い買い物だったか。



目つきは鋭い

古玩城の闇鍋 千円デクの世界 ヨカバイ人形 高さ20cm 初値1000円→落札　送料140円 指し値1000円 なにがよかとかしらんばってんが、ヨカバイ人形というのだそうだ。こんなのに手を出す人間がほかにあろうはずもなく、指し値もくそもなく、無競争でらくらく落札。まあ、「千円デク」の埋め草として買ったまで。 箱の中に、ばらばら殺人の死体よろしく、手足の配置めちゃめちゃのまま格納されているのを取り出すと、おねーさん、そがいにへなへなせんで、もそっとちゃんとせんばいかんが。 好きでへなへなしとーじゃなかと。指人形だすけん、裾から指ば入れてもらわんば、どーうにもこーにも、ちゃんとでけんとたい。そがんいわれても、指入れとなるごたある別嬪さんでもなかけんのー。 それに、顔もなーんかぎとぎと脂ぎっとーけん、せめて左馬の脂取り紙できれーか拭いちゃらんね。きれーかしたかこたしたかばってん、おていどんがぐじゃっぺだるけん、まんだ盃ゃせんだった、って、おてもやんかいの、おねーさんは。そういや、腹にそんな唄ば書いとらっさるばい。 というわけで、なんか指の代わりにしゃんとさすもんば探した結果、ペットボトルがよかかなー、っと。うんうん、これも名案。しゃんとすりゃ、おねーさんも、ちった見られるばい。 これでよかと？