格山自賛

平和な日本では　お盆前後に　各地で盛大な花火大会だが、戦中派の端くれである私には、終戦記念日の時期には、第１陣の特攻機で　不帰の旅立ちをした先輩達の顔が思い出されてならない。自分は「戦争の子」なのだと感ずる。

殷人講評

われわれは、国内では、つまり身近には、戦争を全く経験せずに死ぬ稀有の世代になるのではないかと、ときどき思う。戦争に対する想像力の欠如も、親の世代に比べ、甚だしいものがあり、やがて、子の世代、孫の世代に、戦争を引き起こし、巻き込まれることへつながるのではないかとも思う。昨今の国内外の情勢では、死ぬ間際にそれを見て、それまでの平和と幸福の記憶を、全部ぱーにしてしまうのではないかとさえ思う。

酔桃自賛

やっと待ちかねた夏らしい夏が来て、蝉も私も嬉しい。（酔桃夏子）

殷人講評

台風10号の雨風が束の間やんだとき、一斉に蝉が鳴いた。本能の命ずるまま、あわただしいSEX。俳句にできないかと思案してみたが、なにも浮かんでこない。嵐の中を床屋へ。

汀里自賛

酔桃さま
いつも過分な評をいただき大変有難く、句作の励みにしております。
ところで、この六月末で会社勤めをやめ念願の隠居の身となりました。

あなうれし気儘勝手にはいかいし

とはいうものの・・・。

殷人講評

社長さんはともかく、サラリーマンにはいずれ訪れる運命。本欄は、退職者の健全な社交の場でありたいものだ。

鉢妃自賛

１句目。７月２１日、気候に不似合いな蝉の声に驚きました。
季重なりどころか、季語ばかり。

２句目。頂き物の凍頂烏龍茶の茶葉。
水分の吸い込み方が、尋常ではありません。
急須の蓋を取ると、中は、まるでワカメが詰まったよう、ワカメに似ていると言うだけで、主体は烏龍茶の葉。

「若布」は春の季語だそうですが、今夏なのに、こんな時、季語の使い方をどうすればいいんでしょうね？

殷人講評

上等の茶葉ほど、大きくふくれあがるようだ。最高級という凍頂烏龍茶をもらったことがあるが、それも異様にふくれあがった。

格山自賛

ヨ−ロッパで　蝉の声を聞いた覚えがない。「あの音を出す木を持って帰りたい」と言った向こうからの旅行者がいたと読んだ記憶がある。

ランニングシャツ姿で、蝉取りに興じた思い出があるが、今はそんな子供の姿は見かけなくなった。それにしても　蝉の地中での生活は長過ぎるのではないか。

村長講評

昔々に科学朝日の記事で蝉の事を読んだ記憶がある。
確か、論文のコラムのページで、アメリカの自然科学者の論文発表がベースだったと思う。

（記憶も曖昧になったが．．．．）
蝉には３年蝉と７年蝉の２種類が有って、各々３年、７年の長きに渡り土の中で幼虫として過ごすそうな。
そして２１年目にその子孫が成虫として顔を会わすらしい。
２１年目の夏は３年蝉と７年蝉が一斉に鳴き出すので、非常に騒がしい夏になるらしい。
興味のある人は、科学朝日のバックナンバーをお調べになっては？

それにしても科学朝日が廃刊になって久しい。
エイズが新聞記事になる７〜８年前に、アメリカの同性愛者に新しい病気が流行しているとの記事を読んだのも科学朝日だった。

廃刊前に再刊をする時には連絡をするとの葉書を受けて頚を長くして待っていたものだ。
それから２度ほど引っ越したので、もう連絡は来ないだろうな。
もし、再刊の噂を聞いたら是非教えて欲しいものだ。
各山の蝉の句を見て、科学朝日を２０年以上愛読したのを思い出した。

殷人講評

実はヨーロッパで、蝉の声を聞いたことがある。ローマの公園、小高い丘の上にあるその公園の名は忘れてしまったが、じーじーと頼りなく鳴く蝉の声を聞き、珍しいことがあるものだと思った記憶がある。

公園の名前を思い出したくて、検索をかけたところ、ん？　ボルゲーゼ公園？　そんな有名なところだったかなあ。画像をいろいろ見ながら、むかし、イタリアにはまっていたころのことを懐かしく思い出す。