10月５日から13日まで、恒例の嫁姑旅行でカナダを旅してきた。今回は、姑、長男の嫁（私）、三男の嫁の３人。ナイアガラの滝、プリンス・エドワ−ド島、カナディアン・ロッキ−の３箇所。まるまる９日間の旅程中、４日半が観光、４日半が移動だった。カナダは広い！

カナダの東海岸にあり、赤毛のアンの舞台になったプリンス・エドワ−ド島は、女性には絶対にお勧め。シャ―ロットタウンの町全体が積み木の家のようで、可愛い！の一言。100年以上も経つ家には補修費が補助される。但し、許可無しには勝手に補修もできないとのこと。そんな古い町とは思えないほど、どの家も、新築のように美しい。

色合いも統一性があり、芝生の緑に映えている。通りを渡ろうとすると、向こうから、車がゆっくりやってくる。立ち止まると、必ず、お先にどうぞとの手の合図。時間がゆったりと流れ、人々はのんびり、のんびり。ホテルは港のすぐ傍だった。真っ白な客船が浮かび、まったくメルヘンの世界。

「赤毛のアン」に出てくるグリーンゲ−ブルズの観光もグー。小説を読んだのは高校生だったか、もうすっかり忘れてしまったけれど、パッチワークの寝具、レ−スの洋服、暖炉など、アンゆかりの物が並べられ、彼女が歩いたといわれる小道を散策したり、女性好みのツアー。名産のロブスターもランチに出て、満足。

更に感動ものは、紅葉の美しさ！　正確に言うと、赤、黄、緑のミックス葉。10年近く前、新潟の妙高高原で、えも言われぬ紅葉＋黄葉に出会ったことがある。山肌を覆い、谷に向かうミックス色の風景は、後にも先にも１番美しい風景として、目に焼き付いている。

しかし、カナダの紅葉は規模が違う。飛行機の上から、あそこが綺麗、ここが綺麗と、ミックス色の塊を見ていたら、いつの間にか地面全部がその色で覆われていた。飛行機で何十分も飛ぶ間、ずうっと。家も車も何もない。ただひたすら紅葉＋黄葉した木々。着陸寸前には、それが大きく目の前に迫り、飛行機から降り立ったときは興奮状態だった。

仏滅から 13日の金曜まで 出発日が仏滅で、帰国日が13日の金曜だった。縁起の悪い日程にもかかわらず、無事、なにごともなく……、もなくて。 プリンス・エドワード島に渡る飛行機が、霧で飛ばなくなった。１時間以上経って、明朝の便の交渉が始まり、受付のデスクが２つあるのに、１つしか開けないで、もう１人は何もしない。カナダでは、役割が決まっていて、他人の仕事には手を出さないとか。 話がややこしいので詳しいことは省略するが、ＪＴＢの緊急連絡で駆けつけてくれたガイドさんのお蔭でやっと交渉が済んだのは、飛行機のキャンセルがわかってから、４時間近く経っていた。 ガイドさんがタクシーを拾って、航空会社の指定のホテルまで案内してしてくださり、夜中から早朝までの短い滞在ではあったが、豪華なホテルの暖かいベッドで眠れて、ほっとした。 同じ便に乗る筈だった50代最後くらいのお母さんと娘さんは、航空会社からタクシーの券もホテルの券も貰っているのに、スーツケースを乗せる場所が無いからなどと、タクシーに乗車拒否され、とうとう空港のソファで一晩明かした、ということだった。 彼女達は、別の旅行社のツアーで、そこに緊急電話を入れると、そちらで処理してください、というだけ。やはり、ＪＴＢのように大きな会社は支店も多く、何かと便利。 「お父さんて変な人！電話して、大変だったと言っても、『そうか、きぃつけや！』だけだったんですよ！」と、娘さん。わが夫との違いに笑ってしまった。 こっちは、留守宅版の予定表を元に、３日目にホテルに電話をしてきて、「元気ですか？何事もなければ結構」と言うので、「事があったのよ！」と言うと、「えっ、どうしたの？！」と、声が変わっていた。夫族の中で、電話をしてくるのは、いつもわが夫だけ。高齢の母親が気になると見える。さすが長男！

長距離の移動にかかわらず、78歳の義母は、どこででもよく眠り、脂肪分たっぷり、甘さいっぱいのカナダ食もよく食べ、観光は、足がおぼつかないので散策時には休んでいるが、それ以外は殆どこなし、長時間の機内も、ビジネスクラスなので（嫁族はエコノミー）、「足を伸ばしたらベッドと一緒でよく眠れたわ」と、けろけろっとしていた。

お医者様には、長時間の旅は止めなさいと言われたので、内緒にしてあると言うが、なんのなんの、頭はしっかりしているし、嫁族の手助けさえあれば、まだまだどこへでも行けそうである。ということで、さ、次回はどこにしよっかなぁ？