39講

「仕える者になる」

マタイ２０：１７〜２８
2002年4月21日

主イエスはご自分の十字架と復活を再び予言された（マタイ２０：１８〜１９）とき、弟子ヤコブとヨハネの母がふたりを御国でイエスの近くの地位に着かせてほしいとひれ伏して頼んだとマタイは記している。現代の母の息子に対する思いとも通ずるものがあろうか。他の弟子たちの思いも同じであった。

主イエスは、「わたしが飲もうとしている杯（神の怒りの杯、即ち十字架の苦難）」のことがわかっていない。この時に及んであなたがたは平気でなおも栄誉を求めていると戒められた。「あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなたがたのしもべになりなさい。」（マタイ２０：２６，２７）

「人に仕える」とは、先ず、どんな人をも決して自分の下に見ないこと。そして、必要なときにしもべとなって働くことである。現実を見ると「人に仕える」ことの難しさを覚えるが、「人に仕える」前に「神に仕える」ことを第一にすることで道が開かれる。主イエスご自身がそうされた。「人の子が来たのが、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多くの人のための、贖いの代価として、自分のいのちを与えるためであるのと同じです。」（マタイ２０：２８）　私たちはみな主のしもべであることを自覚し、主に仕えることを最優先すれば、「人に仕える」ことも自然にできるようになるのではないだろうか。

本田弘慈先生が９０歳で昇天された。古川教会にも1981年に見えた。生涯に4,000回以上の伝道集会でメッセージをされ、決心者13万人、献身希望者6500人を輩出した大伝道者であった。先生の揮毫は「霊に燃え、主に仕えよ」（ローマ１２：１１）であった。まさに主に仕え切った生涯を送られた方であった。

新聖歌385番「主よ終わりまで仕えまつらん」の作詞者ボード牧師はこの詩を3人の子どもの信仰告白に際して創った。「仕えまつらん」とは「仕えることができるように」ではなく、「仕えます」という私の強い決心である。私たちもまた「仕える者になる」決心をしようではないか。