"LAS VEGAS"ならぬ"LAST VEGAS"というタイトル通り、７０才前後になった幼な馴染みの悪ガキ仲間たちが、人生最後？のド派手なパーティで盛り上がる、という高齢者を元気づけるようなコメデイ。( アメリカでも高齢者が増えてるので、こういう映画が受けるのかな？)

出演者が超豪華で、マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クライン、というアカデミー賞受賞者揃い。こんなビッグネ―ムばかり集めた作品なんてどうなの？・・と、ちょっと危惧してましたが、テンポも良く、水着審査シーン等のサービスもあり、男同士の根深い葛藤もあり、で、さすがハリウッド、という娯楽作でした。

３２才も年下の若い女性と結婚することになったビリー(Ｍ・ダグラス) の独身最後のバチュラーパーティを開くべく、幼な馴染の４人組が、ＮＹやフロリダから、はるばるラスヴェガスに集合して来て、豪華なパーティを開いて大騒ぎ・・という 基本的にはノーテンキな物語なのですが、そこに女性を巡る男同士の軋轢をからませて、少しはほろ苦い味付けもしてあります。

それにしても、ビリー以外の３人は そんなに裕福でも無さそうなのに、あれだけドンチャン騒ぎができたのは、元はと言えば、年金の半分！を引き出してきたアーチー (M・フリーマン) が 賭場で１０万ドル儲けたから、というのだから、かなりテキトーなご都合主義のストーリーではあります。( ま、そこが映画、とは言え、突っ込みどころ満載です。)

３２才も年下の若い女性と結婚するというビリー役には、高齢者になってもなんとなく金と女の匂いがつきまとう M・ダグラスが ピッタリ。彼の出演作では、「チャイナ・シンドローム」「氷の微笑」なども観ましたが、やはり「ウォール街」と続編の「ウォールストリート」 のゴードン・ゲッコーが当たり役でしょうね。(今回のビリーも成功したビジネスマンという役どころ)

妻の葬儀にビリーが来なかったという事に こだわり続けている、粘着質のパディ役、R・デ・ニーロは さすがの貫禄で、このバカ話に渋味を加えてました。「ゴッドファーザーPART２」や「Once upon a time in America」「カジノ」等、こわもてのマフィア役がピッタリの彼ですが、同じマフィア役でも「マラヴィータ」や「アナライズ・ミー」等 コメディタッチの作品もあり、「レナードの朝」の難病者の役まで、幅広く こなすのは、まったく たいした役者、と 感服します。 ( ま、トム・ハンクスもたいしたものですが・・。)

奥さんにスキンとヴァイアグラを渡されて、ルンルンで、女漁りしてたのに、土壇場になって、「かみさんに秘密は持てない」 とか言って、断念するサム(ケヴィン・クライン) って、恐妻家？ それとも愛妻家？「そんな奴おらんやろ？」 という漫才的 突っ込みを入れたくなりますね。せっかくの奥さんの厚意を無にする事にもなるのでは・・・？ (@_@；)

心臓発作を心配する過剰介護の息子に辟易して家を抜け出し、ヴェガスで大酒飲みに戻って はしゃぐサム (M・フリーマン) が、連れ戻しに来た息子に、「もう先が長くないんだから、好きなようにさせてくれ」と訴えるシーンには、共感する高齢者も多いのでは・・？「Driving Miss Daisy」 でゴールデングローブ賞受賞を果たした彼の出演作では、「ショーシャンクの空に」 「ミリオンダラー・ベイビィ」 「最高の人生の見つけ方」「インビクタス・負けざる者たち(ネルソン・マンデラ伝)」 等を観ましたが、一見 真面目そうな？穏やかな風貌で、得をしてますね。本当はスゴイ好色みたいで、養女と関係したとかいうスキャンダルもあって、イメージとは大違いです。ま、そこが役者、と言うべきでしょうか・・？

ラストには、ちょっとしたドンデン返し(turn over) もあって、それなりに心暖まる結末が待ってました。