「昼食付きで、二子（二子玉川：ニコタマと一般に言われるが、地元ではフタコと言う）発着の５０００円のバスツア−があるんだけど」。近所の仲良しから誘いがかかった。行き先は、茨城県・袋田の滝。

当日朝５時半に起きてみると、心配していた雨も上がり、秋晴れ。朝７時出発のバスに向かう。集合場所まで１０分足らずなのはありがたい。既に仲間の３人が待っていてくれた。

このツア−は、メインは袋田の滝見物なのだが、計画が盛り沢山で、忙しいと言ったらない。神社参拝、蔵元見学（日本酒試飲）、益子焼見学、那珂湊漁港での買い出し、提携しているお土産屋さん巡り。あの店この店で買い物時間を取るので、乗ったり降りたり。メインになかなか到着しない。

１時半頃、やっと昼食。次が滝で、そこまで遠いから、トイレを済ませておくようにとの指示。

敷地内にある大きなケヤキが目印のトイレに、友達と向かう。男女用が左右に別れているが、おばさんの常として、男性用を利用する人も居る。右側の女性用は何人か並んでいて、年配の人が、左側の男性用に「誰も居ないから、こっちでもいいよ」と、盛んに誘っていたが、私たちは女性用に並んだ。



順番がそろそろという頃、一番手前のドアの中から、「ドアが開かないので、開けてくれませんか？」と言う声。３人ほどで、押したり引いたりしたが、だめ。（こんな光景、最近、どっかで見たような、体験したような？　深夜日記４９号参照）。ドアの隙間を覗くと、中の鍵が横に差し渡されている。

「中から鍵がかかってますよ。鍵を外さないと」
「鍵はかけてないんですけど」
確かに見えると言っても、かけていないと言う。
「外から蹴ってくれませんか？」
友達と、運動靴の足で、ドアをガンガンと蹴る。交代で蹴る。足型がいっぱいつく。が、びくともしない。
（最近の体験の時には、蹴飛ばしはしませんでしたので、念のため）。

中の人はさぞかし困っているだろう。どうしたらいいんだろう？と思った矢先、中から、妙な顔をしながら、１人の女性がドアを開けて出てきた！！！　ドアの前に居る私たちを見た後、出口に居た彼女の友達のほうに向かって、「さっきからドアを蹴る人が居るのよね」。　？？？！！！

もうびっくり仰天。何がなんだか判らない。出てきた人に事情を話していると、傍に居た人が、「ああ、それなら今、反対側の方から、お蔭様で、と出て行った人がありましたよ」と。

声は、男性用のトイレからだったのである。友達と顔を見合わせ、唖然！　どう考えても、私を含め３人もの人が、そのトイレの中から声がし、助けを求めているとしか思えなかった。中に居た人も、外から鍵云々と言ってるんだから、何とか言えばいいものを。訳も判らず蹴飛ばされて、怖かったんだろうか？　全く狐につままれた気分だった。



日本の３名爆の１つと言われている袋田の滝に到着したのは、もう夕方だった。買い物なんか暗くなってからでもいいのに、先に立ち寄るものだから、滝が見えなくなるのではと心配していたが、色づき始めた山肌に夕日が射し、幅広い滝は水量豊かに流れ、なかなか見応えのあるものだった。

帰路、渋滞に遭い、二子には夜１０時頃になりそうと聞く。お腹がすいてたまらない。おにぎりが食べたいわね−、あったかいきつねうどんもいいな。７時半頃、インタ−チェンジでのトイレ休憩になった。あと８分。おにぎりは売り切れ。友達と急いで食券を買う。調理場に券を出す。あと５分。きつねうどんをものも言わずに必死に食べる。友達は、他に調理パンも買っていた。バスにダッシュ！間に合ったぁ。

観光地では、殆どお土産を買ったことのない私が、バスを降りてから自宅まで、１０分ほどだけ荷物を持てばよいと思うと、珍しく、あれもこれもと買ってしまった。重い。かさばる。

干し柿１０個入り２パック１０００円、柿５個３５０円、沢庵１本５００円、朝採り野菜（葉つき大根７０円、小松菜８０円、ほうれん草８０円、生椎茸大小２袋５００円＆１５０円、なめこ５００円）、宇都宮の餃子３０個１５００円、塩鮭（紅鮭）８切れ９００円、紺の鼻緒のわらじ（トイレ用）３００円、ドライの米の穂（紫の古代米とか）１束２５０円。

お土産もいっぱい配られた。
わかめ、水戸納豆、お饅頭、ピ−ナッツ煎餅、椎茸のピリ辛煮、りんご、素焼きの釜飯型小物入れ、新米（両手でつかみ取り）、長島前監督顔入りタオル（読売ツア−なので）。

午後１０時。これからまた夕食を取ろうと言うお仲間に別れを告げ、両手がちぎれんばかりの重い荷物を持って、家路についたのだった。１５時間のバス（買い出し）ツア−。翌朝、肩凝りのおまけ付き。