53講

「ああエルサレム！」

マタイ２３：３３〜３９
2002年7月28日

兄カインによって殺されたアベル（創世記４：８〜参照）から、ヨアシュ王の命令によって神殿で殺されたザカリヤ（ゼカリヤ、II歴代誌２４：１７〜２２参照）にいたるまで、今までに地上で多くの義人の血が流された。そのすべてを今、あなたがたが報いとして負わなければならない、とイエスは悲しんでパリサイ人の前で預言する（マタイ２３：２５）。「ああ、エルサレム、エルサレム。預言者たちを殺し、自分に遣わされた人たちを石で打つ者。わたしはめんどりがひなを翼の下に集めるように、あなたの子らを幾たび集めようとしたことか。それなのに、あなたはそれを好まなかった。見なさい。あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。」（マタイ２３：３７〜３８）

この預言は紀元７０年に現実のものとなる。この時の悲惨さを歴史家ヨセフォスが詳しく記している。後の皇帝ティトスのローマ軍によって反乱ユダヤ人６０万人以上が殺され、また、それ以上の人が捕虜になって、神殿は完全に破壊され、エルサレムは滅亡した。預言者に託した神のことばを顧みず、ひとり子イエスまでも殺害された神の怒りは、忍耐を超えてしまった。

「あなたがたに告げます。『祝福あれ。主の御名によって来られるかたに。』とあなたがたが言うときまで、あなたがたは今後わたしを見ることはありません。」（マタイ２３：３９）　どんなにかたくなにイエスを拒み続けても、また、敵対して十字架につけて地上から消しても、イエスが再び来られるときには、すべてのイスラエル、全世界すべての民がイエスにひれ伏すのである。それは、そのときイエスは最後のさばきの御座につき、ひとりひとりに永遠のいのちか、永遠の滅びかの判決をくだされることが定められているからである。

イエス・キリストの翼の下に入ろう。そこは愛にあふれて暖かい。敵から保護され、安全で、健やかに成長することができる。そして何よりも、終わりの日に永遠に生きるものとして主に覚えられる幸いがある。