66講

「世の王国、主の王国」

マタイ６：１０
2002年10月20日

「神の国」とは何か。どのようにして来るのか。「御国が来ますように。」と祈るとき、何を祈っているのだろうか。「神の国はあなたがたのただ中にあるのです。」（ルカ１７：２１）　キリストとともに神の国は地上に出現し、キリストを信じる者の中に今、神の国は存在する。また、「世の初めからあなたがたのために用意されている御国を受け継ぎなさい。」（マタイ２５：３４）　キリストの再臨のときに入ることが約束されている永遠の国。未来の神のわざとも言える。

「神の国」の「国」の原義は「王国」である。従って「神の国」とは神の絶対権威、統治、支配そのものを指す。「子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに入ることはできません。」（マルコ１０：１４〜１５）　神の国を受け入れる」とは、神の統治、支配を受け入れることである。

神の統治の領域は先ず今のこの世である。この世は人間が犯した罪のために神に敵対する勢力（サタンと呼ぶ）が地上にはびこり、神の支配は完全ではない。それゆえ人々の心が乱れている。憎しみ、怒り、傲慢が個人から社会、国家にまで及んでいる。地上の王国は時に横暴、圧制、独裁、私利私欲に明け暮れる。、来るべき世に属する領域も神の国の領域である。いわゆる一般に言われる「天国」である。「死んだら天国にいく」とは、神の完全な御手の中に入れられるということであり、人間の目に見えるような限られた世界ではない。神の国の王はイエス・キリスト。唯一絶対の主権者であるが、平和と愛との君主である。

「御国が来ますように」の祈りは、まず、神が私の心を完全に支配してくださるように、という祈りである。それは、この地上に神の支配があまねく及び、悪が滅ぼされ、神の平和が来ますようにという祈りに発展する。「みこころが天で行われるように、地でも行われますように。」（マタイ６：１０）

また、その続きとして、将来、神の支配が完全に行われるときが来ますように、と祈るのである。私たちに永遠の希望と平安を与えられる主よ、来てくださいと祈ることである。