70講

「主のみに栄光を」

マタイ６：１３
2002年11月24日

「国と力と栄えは、とこしえにあなたのものだからです。」（マタイ６：１３）　　「主の祈り」の最後の部分。先の6つの祈りを祈る根拠を言い表すものである。イスラエルの偉大な王ダビデは、生涯の最後に民の代表を全て集めてメッセージをした。その中心は主をほめたたえることであった。「私たちの父、イスラエルの神、主よ。あなたはとこしえからとこしえまでほむべきかな。主よ。偉大さと力と栄えと栄光と尊厳とはあなたのものです。」（�T歴代誌２９：１０〜１１）

イスラエル王国の確固たる地位を築き、メシヤ（救い主）がダビデの子孫から出ると予言されているほどの人物。しかし、彼は、「まことに、私は何者なのでしょう。私の民は何者なのでしょう。このようにみずから進んでささげる力を保っていたとしても、すべてはあなたから出たのであり、私たちは、御手から出たものをあなたにささげたにすぎません。」（�T歴代誌２９：１５）　主なる神の前では私は取るに足らぬものであることを告白し、まことに謙遜に振舞った。

ダビデほどの富を蓄えた者なら、神のために神殿を建てることができたはずだが、その大事業は息子のソロモンに託した。「私は、主の契約の箱のため、私たちの神の足台のために、安息の家を建てる志を持っていた。私は建築の用意をした。しかし、神は私に仰せられた。『あなたはわたしの名のために家を建ててはならない。あなたは戦士であって、血を流してきたからである。』」（�T歴代誌２８:２〜３）　過去に戦いで多くの人を殺し、またバテシェバ事件（�Uサムエル１１章参照）のように大きな罪をおかして来た。その自覚と神の御声に忠実に従う信仰心から、自分は神殿を建てるに値しないと判断したからである。

人間が神としてまつり上げられ、その力が絶対的なものになった時、その人や国家はすでに崩壊に向かっていると言えるだろう。いかに偉大な人物であっても、人間である限り罪をおかす存在である。力と栄光を帰するものは天の主のみでなければならない。私たちは、三位一体の主、すなわち父なる神、イエス・キリスト、そして御霊に永遠の栄光を与えるものとして生まれて来たのである。