日時：２００３年１月某日　夕
場所：天王寺
参加者：林（木下）不二子＝通称フコ
村尾（高岸）優美＝通称ユミ
三田（塩田）紀子＝通称ノッコ



中学に入って、先ず仲良くなったのが、フコとユミ。フコとは、同じ小学校の出身（因みに、高１で転校して行かれた、美人の誉れ高き柏木玲子さんも同じ小学校）、ユミは入学試験の体操の時、カモシカのようなスリムな身体で目立っていました。

そんな２人と、久しぶりに新年会をしました。ユミとは１１月に会ったばかりですが、フコとは数えると、父の退院の時だったので、５年ぶり。そして、今回会うのも、父の入院時。天王寺の病院まで介護（ただの付き添い）に通っていたので、大阪市南部在住のフコに会うのにちょうどよい機会だったのです。で、本町からの仕事帰りのユミと天王寺で待ち合わせ。

３人とも年のせいか、「和食がいいわねぇ」ということになり、彼女たちが「結局いつもここになる」というお豆腐料理のお店に行きました。

ユミは相変わらず、飄々とした態度で、しっかり者の長女や、溺愛息子ちゃんについて話します。フコは聞き役で、相槌を打ったり、きゃっきゃっと笑ったり、穏やかで、善人そのもの。学校時代、よくできる人だっただけに、私なんかいつも頭が上がらない感じがありましたが、今は腰は低いし、会うたびにどんどんいい人だなぁという印象が強くなります。

フコは、何年か前まで、大阪南部の東住吉区から、北部の吹田まで、おば上のためによく食事を運んでいたんですよ。







一方ユミですが、彼女も幼馴染の少し年上の女性の面倒を見ていて、その方が亡くなった後も、その女性の９０歳にもなる父上の世話をしに通っていたのです。家は芦屋、本町が仕事場、おじいさんの家は、天王寺の１つ先の昭和町です。

えらいですねぇ。２人とも１時間以上もかかる距離を、親でもないお年寄りの世話をしに通っていたのですから。そして今は２人とも、実の、或いは、義理の親御さんと一緒に暮らしています。

ユミは殆どフルタイムで働いていますが、フコなんか、３食の食事作りがいやになったぁ！と嘆いていました。麺類をまったく召し上がらないので、家族一緒のときでも、父上には別のものを出すとか。それでも父上は、「出されたものは何でも食べる！」とえらそうにおっしゃるそうです。「せんど（この言葉久しぶりに聞きました。"千度"と書くのでしょうね）言われてるから、嫌いなものを出さないだけ」と笑ってました。

フコで思い出すのは、いつもこの１つのエピソード。学校時代、フコの家は、駅に近い場所にありました。我が家は駅から１０分ほどかかります。ある日、雨が降ってきたので、家に電話をしたつもりが、間違えて木下家にかけてしまいました。そしたら、母上が、傘を持って来て下さったのです。今から４０年以上前の話ですが、優しかった母上のお顔が忘れられません。

「情けは人の為ならず」と言いますが、私からは何のお返しも出来ないまま、亡くなられています。ま、しっかりと思い出に残っているのがせめてものお返しでしょうか？そして、その血を受け継いだフコもまた善人ということなのでしょう。