往復だけ息子たちの車に同乗し、後は別行動、私は、母たちの話し相手…、のつもりで出発した「嫁姑旅行ｙｏｕｎｇｅｒ版」は、思いがけず、７日間の関西滞在中、６日間を一緒に過ごすことになりました。息子夫婦２人の「良かったら」の言葉の他、母までが、「こんな機会はないから行ってらっしゃい」と勧めてくれたからです。

有馬の日帰り温泉（昼食＋入浴）にも行き、お嫁さんとは、文字通り、裸の付き合いもしたのです。お天気の素晴らしい日で、帰り道に寄った「東六甲展望台」からは、神戸の町も、伊丹空港、関空の辺りまで見え、望遠鏡では、万博の太陽の塔まで確認出来ました。

「こんな、山も海も皆見える景色、見たことがない！」と、お嫁さんは大感激。
息子は４歳までと小学生の一時期を関西で過ごしただけですし、お嫁さんは関東の人なので、関西はあまり知らないのです。「関西に住みたいねぇ」と言うのが２人の感想。

京都にも行きました。雑誌で見て、昼食に見合う一番安い値段の食事を電話予約して行ったところ、風流な門構えの立派な料亭。ニ間続きの素晴らしいお座敷に通されました。窓からは京都の街並みが見下ろせ、緑がいっぱい。秋の味覚を満喫できる懐石料理が、次々と運ばれてきます。

もしかして相手が聞き間違えて、１桁上に数字がつくんじゃないでしょうね？なんて、心配になったほど。でも間違いなく、云千円でした。

以前私が行きそびれたお寺が、確かこの円山公園から遠くなかった筈。でも名前が思い出せません。ふと頭に浮かんだ名前が、「せんにゅうじ」。仲居さんに伺うと、「東福寺の近くです」。

東福寺は、京都駅の南。「じゃぁ、違うわ。“せんにゅうじ”ってね、泉が涌くお寺って書くの。“せん・ゆう・じ”を続けて、“せんにゅうじ”」
何の気もなく言った途端、息子が、「そこへ行ってみよう！」とやけにキッパリ。



泉涌寺門前にて

謎が解けました。実は、お嫁さんの名前は“いづみ”。「水の中で一番綺麗なのは、滾々と涌き出る泉。仮名にして、しかも、“いずみ”でなく、“いづみ”にしよう」ということで、命名されたのだそうです。「だから、Ｋ君（彼女は、名前に君を付けて呼びます）は、私の為に、行こうって言ってくれたんだと思います」と、彼女。

はいはい、なるほどね、お優しい旦那さまで御座います。それに対し、お嫁さんは、息子が何かをする度に、「ありがとう、Ｋ君」と御礼を言うのには感心しました。

仲の良いのは何より。ところで、我が家では、何かにつけ、「ありがとう」と言うのは、夫の方なんです。私が優しいから？　んーん？？？　態度は反対でも、嫁姑ｙｏｕｎｇｅｒ版、共通して、亭主操縦法は上手なようで…。