93講

「神のテスト」

創世記２２：１〜１９
2003年5月4日

「あなたの愛しているひとり子を、、、全焼のいけにえとしてイサクをわたしにささげなさい。」（創世記２２：２）　最も大切にしているものをささげよ。それも「全焼のいけにえ」として。神に献げるとはいえ、自分の子を殺して焼き尽くしてしまうという行為を神から命令されたアブラハム。

彼はそう命ぜられた神に文句を言うことができたはずである。人を殺すということは明らかに神のおきてに反することであり、しかも、その子は神の約束の結果として与えられた子だからである。しかし、彼はただ神の命令に従おうとした。このような試練を与えられた神には何か意図があるのだろう。神は意味なく苦しみを与えるはずがないという信仰である。

神はアブラハムに厳しい信仰のテストを課された。本当にわたし（神）を第一に愛しているか、わが子よりも愛することができるかを試されたのである。神は、まずイスラエルにご自身を現わし、すべての人を救う計画をアブラハムとその子孫を通して実行されようとしていた。その張本人が徹底的に自分に従う者でなければ初めから計画は水泡に帰すからである。

アブラハムはもういちど神に呼びかけられ、「はい。ここにおります。」と素直に応答した。神の命令の目的はかなえられたので、イサクをささげよという命令は取り消された。「あなたの手を、その子にくだしてはならない。、、、、今、わたしは、あなたが神を恐れることがよくわかった。」（２２：１２）

アブラハムは子孫が増し加えられ、敵に打ち勝つことができた。神は私たちの人生の所々でテストをされる。試練は苦しいものである。しかし、それから逃げないで主の声をよく聞いて従うとき、必ずその試練に打ち勝つ道を示され、その後に祝福、すなわち痛みを越えた安心、喜びが与えられることが約束されている。「神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることができるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。」（Ｉコリント１０：１３）