106講

「ヨセフ（２）誘惑に勝った男」

創世記３９：１〜２３
2003年8月3日

奴隷としてエジプトへ連れていかれたヨセフの運命はいかに。故郷や父母兄弟を離れた17歳の少年、どんな虐げられた扱いを受けるかも知れない。不安と孤独の真っ只中にあったであろう。しかし、ヨセフはパロ（エジプト王）の侍従長ポティファルの所へ預けられ、波乱万丈の物語の第2幕が始まる。

しかし、まず罪の誘惑があった。「主人は彼を側近のものとし、その家を管理させ、彼の全財産をヨセフの手にゆだねた。」（創世記３９：４）　誘惑は、最も良い、順調な時に起こるものである。彼は「体格もよく、美男子であった。」（３９：６）　誘惑は長所、賜物故に起こる。「主人の妻はヨセフに目をつけて、私と寝ておくれ。」（３９：７）と言った。誘惑はすぐ身近にある。「彼女は毎日、ヨセフに言い寄った」（３９：１０）　誘惑はしつこく、続けて起こる。

罪の誘惑に勝つ秘訣は、先ず自分の弱さを認識して常に誘惑から遠ざかる工夫をすることであろう。そして、「主がわたしとともにおられる」という確信を持つことである。３９章には「主はヨセフとともにおられ」（３９：２，３、２１、２３）というみことばが４回も出て来る。主がヨセフを守ったのである。普段から聖い生活をしていないと誘惑が来た時に急に避けることは難しい。ヨセフは「彼の主人は彼がすることすべてを成功させてくださるのを見た。」（３９：３）　これほどに主の証し人として生きていた。

「どうしてそのような大きな悪事をして、私は神に罪を犯すことができましょうか。」（３９：９）とヨセフは誘惑を振り切る。しかし、誘惑に打ち勝った報酬は、濡れ衣を着せられ、監獄に入れられてしまう。大きな試練に遭うが、しかしこれも主の大きなご計画のうちにあったのである。

罪の２大誘惑は異性と金。この世の中は全体が膨大な罪の誘惑製造所である。クリスチャンであっても、誘惑に陥りやすい。「われらを試みに会わせず、悪より救い出だしたまえ」と主の祈りを心より祈り続けよう。