車買い替え騒動記



November 25, 2004


「今度はナビ付きの車だね」

住んでいる所が交通の便がよいので、夫婦だけになった今では、車の必要がほとんど無く、２、３ヶ月に１度、乗るか乗らないかの生活。でも、たまには遠出するし、運転は好き。１１年近く経ち、廃車にするパジェロのあと、車はどうしようかと思っていたところでした。車にも運転にも全く興味が無い夫から、その言葉を聞いて、私は大喜び！

「嬉しいー！今度は、小型車がいいな」

昔のイメージとは違い、小型車も格段に良くなって、高速運転でも安定していると聞いていたものですから、普段は小回りの利く車にしたかったのです。

インターネット検索で、ちょっと構造的に面白い車がありましたが（後になって、デザインが気に入らず、外しました）、実物を見に行く段階までには至っていなかった頃、三菱の販売店のＯさんがやってきたのです。

パジェロのリコールで、点検整備もしてもらったりしていますので、パジェロの用事でもあるのかと玄関に出たら、「お買い替えになりませんか？」という勧誘だったのです。新しいパジェロのカタログと、勝手に見積書を書いて持参していました。

1年に1度くらいの遠出のために、パジェロのような大きな車に買い換える気持ちはありません。でも一言、余計なことを言ってしまったのです。「２年くらい前にコルトが出たとき、買い換えようかなと思ったことがあるのよ。リコールが起きる前だけど」と。

過去の話をしただけなのに、すぐコルトのカタログと見積書を持ってきました。カタログには、コルトが新しくなると書いてありましたが、マイナーチェンジくらいなら、新製品好きの私の購買意欲をそそりません。三菱はやはり問題かもしれないし。でも、現場の人は一生懸命。なんか可哀想になってきました。

その直後、車屋さんの前を通ることがありました。現物を見ないと話にならないし、滅多にその場所は通らないので、これを機会にと、ちょっと寄ってみました。今までのコルトを見ると、小さい割には、室内は結構広く、ふーん、こんなものか、と。

ちょうどＯさんも居たので、「期待しないでね、近くを通ったので寄っただけだから」と予防線を張り、ついでにカタログで見た或る色を、「これはどんな色かしら？」と言うと、ちょうどあるとのこと。車を運ぶエレベーターに乗せられて屋上へ。そこに置いてあったのが、発表前の新車、コルトプラスだったのです！

一目惚れー！



先程見たコルトは、後の屋根の線が縦にストンと落ちて荷物車みたいだったのに、コルトプラスは後方に３０ｃｍ長く伸びた分、屋根が斜めに流れ、エレガントなイメージ。基本はコルトにしても、形が全く違い、マイナーチェンジとは言えません。

マイナーチェンジされたコルトと、このコルトプラスの両方が発表されるなんて、Ｏさん、はっきり言わないんですもの！　でも、もう１つ予防線。兄と長男が車に詳しいから、彼らに相談する。もし反対されたら、無理、と。

帰宅して夫に報告すると、一も二も無く、「それにしたら？」。先ず１人は味方！

息子だと、自分へのメリットも考えたりして反対されるかもしれないし、私がどの車を選ぼうと何のメリットもない兄に、先に相談しました。小型車の中では、Ｔ社のＶと三菱のコルトが、あの小ささで、あれだけ室内が広いのは優れもの、と。

「３０ｃｍ伸びた？　それじゃ意味無いなー。小さなスペースにも駐車できるメリットがなくなるし」との意見ではありましたが、機能的にも勿論優れていると言われ、安心。こちらは、大きい荷物も入る方がいいし。今三菱車を選ぶことに関しても、内容は省略しますが、「どこも同じ。気持ちの問題だけ」と。これで２人味方！

さて、実物の色をあれこれ見たくても、未発表だけに、新車は各販売店に散らばっているそうで、1週間後に新車が入ってくる他所の販売店に、連れて行ってもらう約束だけしていました。

車はコルトプラスに決めたものの、装備その他のことがよく判りません。やはり長男に聞かなきゃ。で、週末に、長男夫婦（揃って、車好き）に我が家に来てもらうことになりました。

「三菱？！　決めてるならそれでいいけど、他にもあるでしょう」といろいろ検索。で、他のメーカーにも行ってみたのですが、私にとっては、やはりコルトの方がいいかな、という点があって、退出。

「じゃぁ、三菱にも行こうかー？」と、息子はあまり気乗りしない感じで移動。で、コルトプラスを一目見るなり、２人が揃って目を輝かせました。「可愛いね！」「かわいいー！」と異口同音に。車を動かしはしなかったものの、座席に座ったり、トランクルームの操作をしてみた結果、「お母さんのニーズにはピッタリ！」と、お墨付きを貰ったのです。

４人もの賛同を得て、これで決定。後は色だけ。翌日が約束の日で、Ｏさんは、会うなり、「この１週間、三田さんが他の車にするって言われないか、はらはらしてました」と。「簡単にはうんと言わないわよ」と脅かす。

近くの用賀店の他、首都高に乗って、新宿店にも連れて行ってもらえ、気になる３色全部をチェックすることが出来ました。パジェロも、廃車どころか、思いの外の値段で下取りしてくれることになり、その日に商談成立！　店長も出てきて、ペコペコ。新車発表の前日でした。

車庫証明の件で、マンションの管理人さんにお世話になりました。「今度は何をお買いになったんですか」「実は、こんな時期ですけど、三菱なんです。コルトプラスって言うの」「あー、後に３０ｃｍ伸びたそうですね。荷物室を開けるのに、自動になってるんですって？」「えーっ？詳しいんですね」「僕も三菱に乗ってるんですよ。で、今度も三菱に買い替えたんです。人助けですよね」

マイナーチェンジをする前のコルトの話ですが、ヨーロッパでは、今年、小型車部門で、カー・オブ・ザ・イヤーを次々と受賞しているそうです。オランダ、デンマークに次いで、先日は車の本場ドイツでも。車自体は、優秀なようです。兄も、「ね、言ったでしょ？」
今は納車を心待ちにしている毎日です。