117講

「親子の絆」

出エジプト２０：１２
2003年10月19日

十戒の第５戒は「あなたの父と母を敬え。」（出エジプト２０：１２）　第５戒からは人間の人間に対する責任についてである。しかし、神と大きく関わっている。パウロはこの戒めを引用して、「子どもたちよ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことだからです」（エペソ６：1）と言った。親に「従う」ことは「盲従」することではなく、「尊敬」から来る服従である。どうしても「尊敬」できない親だと思うこともあるだろう。しかし、親を尊敬することは「正しい」ことと言われる。なぜなら神が大きい計画のもとに父と母を通して私を造られたからである。

ただし、尊敬される親になるためには、親としての義務がある。「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。私がきょう、あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい。これをあなたのこどもたちによく教え込みなさい。」（申命記６：５〜７）　イスラエルでは父親は家族の長として、権威あるものとして尊敬されるべき存在であった。権威とは権力ではなく、目に見えないが、相手を服従させる精神的な力である。この権威は父親自らが神を恐れ、神のおきてを行なうことによって神から与えられたものである。その上で子どもに神のことばを教え、実行させるようにするという実に大きい仕事があるのである。父親は家族の総責任者。重い責任を負っていてそれを果たすが故に尊敬されるのである。現代の父親にも強く語りかけていることばである。子どもに対する根本的教育は父親にある。また、母親はそのような父親を支えるため、賢く振舞わねばならない。

親子の絆は神が愛をもって太いパイプで支えておられる限り強固なものである。「あなたの神、主が与えようとしておられる地で、あなたの齢（よわい）が長くなるためである。」（出エジプト２０：１２）　両親を敬えば、神は長寿という祝福を約束してくださっている。