125講

「忠実な預言者」

ヨハネ１：１４〜１８
2003年12月14日

「預言者」は「予言者」とは違う。「神のことば」を「預かり」、それを語り伝えるために特別に神から遣わされた人である。その人が生きた時代の波や悪に打ち負けず、神のことばを曲げずに純粋に伝える人である。イスラエルではモーセやエリヤ、イザヤを初め多くの預言者を輩出した。しかし、「わたし（モーセ）のようなひとりの預言者をあなたのためにおこそう。」（申命記１８：１５）と、父なる神が言われた預言者とはイエス・キリストのことである。

イエス・キリストは父なる神に最も近いところで神のことばを忠実に聞かれた。「あなたがたが聞いていることばは、わたしのものではなく、わたしを遣わした父のことばなのです。」（ヨハネ１４：２４）　また、イエス・キリストはその父のことばを忠実に語られた。「なぜなら、父から聞いたことをみな、あなたがたに知らせたからです。」（ヨハネ１５：１５）　キリストは完全な預言者であった。「父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。」（ヨハネ１：１８）と記されている通り、完全な王、祭司に加えて、完全な預言者として父なる神にたいして忠実な働きをなさったのである。

神が人の形をとってこの地上に降りて来られた。主イエスが仮に優秀で、超能力を持ったただの一人の人であったなら、その死は私に何ら大きなかかわりはない。十字架に架かられたのは完全な人としてのイエスであるが、主イエスはまた完全な神であった。父なる神が遣わしたひとり子だったのである。

私たちはどんな人間であっても罪ある者してこの世に生まれた。そしてどんなに修行や努力をしてもその罪を根本的に解決することはできない。罪は罪として認めれば、イエス・キリストの十字架ゆえにその罪をないものとして赦してくださる。このことを信じるのが唯一の解決方法である。キリスト教の「救い」は「罪からの救い」である。人生の意味の根本解決が与えられる「救い」の事実。その出発点であるイエス・キリストのご降誕を待ち望もう。