１１年前に義父が亡くなってから始めた嫁姑旅行は、今回が１１回目となりました。計画のあった夏の時点では、父の介護に追われていて、とても参加できるとは思えませんでしたが、こうして今回も無事達成できたことに感謝。嫁姑旅行ですから、姑は必須、お嫁さんは１人では淋しいので、最低２人が必須。これを満たした結果、私と義妹３（計画係なので当然）が全回出席なのです！

前夜、三田の実家に全員集合。早起きして、レンタカーで、山陽道から岡山に出発。運転は私です。フェリーに間に合うよう走らねばなりませんが、ナビが３０分前に到着することを指示しているので、まぁ、安心。

途中、ナビの指示しない分かれ道があり、右は「岡山市街」、左は「津山、岡山空港」となっています。車を脇に寄せて、どっちかしらとお嫁さん同士で迷っていると、義母が「津山は岡山の北の方でしょ？」「えらーい！　港に行くんだから、南に行かなきゃね」と、右の道を取りました。

宇野港に着いて、車が順番を待っている場所で聞くと、そこは高松港への乗り場。直島行きは、まっすぐ行って、ぐるーっと先まで行ってくださいですって。
せっかく時間通りに着いたのに、また移動です。間に合うのかしら？

誘導されて、フェリーに乗り込みました。２０分ほどしか乗船しないので、車から降りずに乗ったまま。暫くすると、義母が、「これから船に乗るの？」と。「もう乗ってるんですよ。動いてはいませんが」

出発予定より５分経ちました。「遅いですねー。まだ乗る車があるのかしら？」と義妹。１０分経っても動きません。「どうなってのかしらねー？」
そこに、係りの人が、出発時に置いたストッパーをはずし始めました。「えっ？！　もしかして、動いてて、もう着くの？」
そうなんです。突然、車の間から、島が見えたんです！　あまりにも静々と動いていて、だーれも気づきませんでした！



直島から撮影

直島に上陸し、安藤忠雄さん建築の地中美術館をナビに入れようとしましたが、電話も住所も該当するのがありません。案内板を見た義妹がこっちと言う方向に動いてみましたが、何だか変。前から来たオートバイに乗ったおじさんに聞こうと車を停めると、おっとっと！　そのおじさん、行き過ぎてしまいました。

でも、オートバイを降りて、戻ってきて、質問に答えて下さったのです。港から、全く反対の方向でした。おじさんが行ってしまった後、Ｕターンして港に戻ると、なんと、さっきのおじさんが、待ってくれています。そして、また細々と道案内をしてくださいました。なんて、親切なんでしょう！



　

直島「家のプロジェクト」。下記の記事参照

無事、美術館に到着。山の中に埋め込まれた形になっているので、その名前がありますが、写真でも見ないと、その様子はわかりません。コンクリートでできた通路を通っていくのは、京都の大山崎美術館に行ったときと同じ印象。ここは、写真撮影禁止。

そうそう、美術館の駐車場から入り口まで遠そうだったので、義母には歩けないと思い、入り口まで車で送って、また戻るつもりでしたので、そこまで車で行けるかどうか尋ねたところ、なんと「付いて来て下さい」と、坂道を走って誘導してくださり、進入禁止のチェーンを外した上、入り口のすぐ横に駐車させてくださいました。すぐに車椅子も用意され。そこまで便宜を図ってくださって、感謝感激！



地中海カフェのＨＰより

先ず地中カフェ（写真上）でランチ。ガラス越しに目の前の海を見ながら食事をするようになっています。車に酔ったのか、まだ気分の直っていない義母だけは、お水だけで、ランチ抜き。

中には、睡蓮の絵のかかったモネの部屋など、４つか５つの部屋があり、それだけ。建物の作り方が変わっていて、それも入場料に含まれる芸術鑑賞の１つなのでしょう。





「家のプロジェクト」と言われる町並み（写真上）があり、３軒ほど訪問。日本家屋の座敷内に数字が光っている家とか、石段の代わりにガラスの階段の神社とか、漆黒の闇の中に座っていると、目が慣れてきて目の前の画面がうっすらと見えるようになる部屋とか、不思議空間の体験をしてきました。

その他、直島は、至る所、アートの世界。浜辺に、カボチャのお化けみたいなの（写真下）がありました。芸術は、よく判りません。

義母は、歩くのが大変なので、最初のアートの事務所のようなところで、休憩。１時間の約束で戻ってみると、ソファーでお昼寝中でした。退屈せずに済んで、よかったこと！





直島から、またフェリーで、高松港へ。今度は１時間かかるので、車を降り、船室に上がって待ちました。義母のお尻を押しながら、ヨッコラショ、ヨッコラショ！　５時に出発したので、途中から外は真っ暗に。

今夜の宿は、オーベルジュ。フランス料理を出すホテルです。ここに泊まるのが目的で、今度の旅行を決めたとか。私はフランス料理は苦手なので、オーベルジュには関心がありませんが、みんなと行くなら、どこでも参加しまーす。

港を出て、右なのか左なのか、ナビが一向に動きません。オーベルジュに電話で聞いて、その方向に行きだすと、ナビも動き始めました。途中、聞いた道と、ナビの方向が違ったりしましたが、ナビを信じて、細い田舎道をひた走り。そこでまた電話すると、シェフがお店の前に出て待っていてくださいました。６時半頃の忙しい時間帯に、申し訳ないことです。





フランス料理なので、ちょっとおめかししてレストランへ。さっぱりしたお味で、たまにはフレンチもいいもんだ！と思った次第。鯛（写真右下）やアワビ（写真左下）も出て豪勢。

義母はといえば、気分がまだ直らず、１品くらいしか食べられないと言っていたのに、コースをみんなと同じだけ頂きました！（写真右下）　「止めよと思いながら、美味しいから、みんな食べてしもたわ！」。その後苦しくも何ともなかったそうです。

デザートのケーキは、１０種類ほどあり、全部でもどうぞ。みんなニコニコして、沢山注文していました。シェフも奥様もテーブルに来て、にこやかに、あれこれお話を。お店もホテルもおしゃれなのに、気取らない、感じのよい人たちでした。

ホテルとレストランを内部で繋ぐ階段は、足元に小さなライトがきらめいています（写真上）。「綺麗ね」と感激していたら、送りに出てくれたシェフが、「珍しい組み合わせで・・・」と。

自分のホテルなのに何のこと？と思ったら、私たち嫁姑の組み合わせのことでした。「沢山、お客さまがいらっしゃいますが、滅多にありません」。

　　

ホテルの室内まで案内してくれた女の子が「ご姉妹ですか？」と質問したので、答えておいたのですが、それがオーナーにまで伝わっていたのでした。４人の姓がみんな同じですから、よく聞かれますが、この年代で実の姉妹なら、普通はみんな苗字が違うはず。

室６５平方メートルと７５平方メートルの部屋を２室借りました。リビング、寝室がそれぞれ広く、まるでマンションの１室。すっきりした空間は、ずっと住んでいたくなるような雰囲気。

　　

タイマーをかけて、恒例の全員の記念撮影です。シャッターが下りるまで長いので、誰かが笑い出し、なかなか「チーズ！」の写真なんか撮れません。義母だけはいつも泰然自若（上の写真）。大物です。

翌日の予定も決まり（義妹２人の係り）、今夜はシックな寝室で、おやすみなさーい！




　

１日目｜２日目｜３日目