143講

「最高のめぐみは？」

エペソ１：１〜１４
2004年4月18日

エペソ人への手紙は使徒パウロがエペソのクリスチャンへ書き送ったものだが、回状として他の教会へも回されたと思われる。紀元60年頃ローマの獄中で書かれたと思われ、内容は、教会の偉大な奥義を示している。

三位一体の神がそれぞれのお働きから私たちへ恵みをいただいている。父なる神からは、私たちが救いの対象として選ばれたという恵み。「神は私たちを世界の基の置かれる前からキリストのうちに選び」（エペソ１：４）「私たちをイエス・キリストによってご自分の子にしようと、愛をもってあらかじめ定めておられたのです。」（１：５）　最初、イスラエルの民を選ばれた神は、キリストにより、民族を超えた形で、異邦人も選びの民に加えられた。どういう人を選ばれるかは神にしかわからない。貧しい、取るに足らぬこの私をも選ばれたのであるから。信じたからから選ばれたのではなく、選ばれたが故に信じたのである。（使徒１３：４６〜４８参照。）

子なる神、キリストからは、罪赦されるという恵みをいただいている。「私たちは、この御子のうちにあって、御子の血による贖い、すなわち罪の赦しを受けているのです。これは神の豊かな恵みによることです。」（１：７）　「贖い」とは、以前所有していた人や物を身代金を払って買い戻すこと。神は、神から離れた（＝罪）私たちが再びご自分の所に戻ってくるようにと、主イエスの十字架を身代金として差し出された。私たちは、神に近づくために難行苦行をしたり、よい行いを重ねようとしなくても、この事実を信じるだけで罪赦される。「キリストにあって」「キリストのうちに」という言葉が何回も用いられている。父なる神の救いの計画、実行、約束はすべて「キリストにあって」成り立っている。キリストの十字架と復活がなければ、私たちの救いはなかったのである。

聖霊なる神からは、救いの確かさと御国を受け継ぐことの保証という恵みをいただいている。「聖霊は私たちが御国を受け継ぐことの保証であられます。」（１：１４）　救いの福音を聞き、また信じてバプテスマを受けたことによって聖霊が与えられた。私たちの中に宿り、生きて働いておられる聖霊なる神によって救いの確かさを実感できるし、天国への道が保証されているのである。