148講

「キリストを知る」

マタイ１１：２８〜３０
2004年5月23日

私の中に本当の安らぎがあるだろうか。体の安らぎや心の安らぎは時と状況によって得たり、失ったりする。しかし、それらとは異なる「たましいの安らぎ」というものがあり、最も深いものである。このたましい（霊魂）の安らぎは、神との関係における安らぎである。神は私を造られ、私のすべてを知っておられ、私を愛して導かれる方である。たましいの安らぎがあるかどうかはこの方とつながっているかどうかにかかっている。

「罪」とは「神から離れること」である。星野富弘さんは、入院中、けがで自分と同じように上下肢が動かなくなった中学生に最初は大変同情したが、少し回復して動くようになると嫉妬の念が湧いてきた。「悲しい心をもって生まれてしまった。」と告白する（著書「愛、深き淵より」参照）。嫉妬という「罪」、自分中心の「罪」である。アダムとエバが神の命令に背いて以来、私たち誰もが神との断絶状態にある。このままでは「罪」から抜け出せない。

しかし、神の方から助け舟を出して、再びつながる手段を示してくださった。それが「イエス・キリスト」である。神であるが、人としてこの世に来られ、十字架につけられて、人類全体の罪の身代わりとされたのである。修行や善行に依らなくてもよい。この事実を信じれば、誰でも罪はあるままでないものとみなされ、神とのつながりを持つことができるのである。

「すべて、疲れた人、重荷を負っている人はわたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」（マタイ１１：２８）「あなたがたもわたしのくびきを負ってわたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。」（１１：２９）　私たちは、神から離れようとする愚かな者であるが、そのままでわたしのところに来なさい、とイエスは言われる。何という恵みであろうか。　星野さんは言う。「この神の言葉に従ってみたいと思った。クリスチャンと言える資格は何も持っていない私だけれど、『来い』というこの人の近くに行きたいと思った。」（前掲著書より）