150講

「神の作品は個性的」

エペソ２：１〜１０
2004年6月6日

「私たちは神の作品であって、良い行ないをするためにキリスト・イエスによって造られたのです。」（エペソ2：10）　私たちは神によって造られた作品、それも「芸術作品」である。神は一個一個の作品を分け隔てなく同じ愛を持って造られた。すべてを個性的で、かけがいのないものとされた。

その芸術作品を神はもう一度造り直される。私たちは、この「新生」と呼ばれる生まれ変わりを経なければ、本当の芸術作品としては失格である。「あなたがたは自分の罪過と罪の中に死んでいた者であって」（エペソ２：１）人間は、生まれたままの状態では罪の奴隷となり、本能的欲望のまま自分中心に生きるものである。神から離れた存在である。これを聖書は「肉」に生きていると言う。「救われる」とは、この「肉」の状態から抜け出し、霊的に生まれ変わることである。死から生へと転換されるのである。

「あなたがたが救われたのは、ただ恵みによるのです。」（エペソ２：５）　「恵みによる」とは、自分の行ないや手柄によることではない。「救い」の原因は自分の側には一切なく、基準もない。ただ神の意思によって与えられるものである。いくら能力があっても、また努力やささげ物や善行を積んでも、「救い」とは直接関係のないことなのである。

「神は、私たちが良い行ないに歩むように、そのよい行ないをもあらかじめ備えてくださったのです。」（エペソ２：１０）　行ないによって救われるのではなく、救われればよい行ないができるようにされる。聖書の真理はしばしば世の真理とは逆である。「よい行ない」とは神が喜ばれる行ないである。従って、神の恵みと力によって、私たちが自然によい行ないに進むように導かれるのである。

「ただ恵みによる」と言っても、救われるためには、ひとつだけ必要なことがある。救いのわざはイエス・キリストによってなされたことを信じることである。すなわち、キリストの十字架と復活の事実を受け入れることによってはじめて救いが与えられ、「新生」することができるのである。