多忙の日々に、風邪気味の奥方。そんな状態で旅に出て疲れないのかと思うのですが、心の癒しが身体の疲労をカバーする様子。１１月の最終週を空けておいてね、と言われたものの、なかなか「いつ」なのか決まりません。私の方には、その頃、どんどんお誘いが入り、保留のまま。

あれこれ考えて決まらないときには、湘南新宿ラインを使って行ける水上温泉に、というのが、奥方の常套句。沖縄周辺の島々、能登、片山津、下呂温泉、恐山、と候補がいろいろあったのに、奥方にまた予定が入ってしまい、２泊３日が無理で１泊２日の旅に。日程も前倒しに変更。で、とうとう「その時」がやって来たのでした。

ぎりぎりの段階で、水上温泉を調べると、地図の中に、以前義妹から聞いていた「吹割の滝」を発見。その近くには老神（おいがみ）温泉があります。偶然見つけた、秋篠宮さまのお泊りになった宿をネット予約。とは言え、予約したのは、一番安い部屋。値段は部屋数の多さで決まるだけで、お料理は同じ。２人ですから１１畳の１部屋で充分。

鉢妃が奥多摩へ行った日は、旅に出る前日でした。その日奥方は東京でご公務。連絡を取り合って、帰宅時間を合わせ、我が家にお泊まり。



第１日　２００７年１１月２５日（日）　

二子玉川→渋谷→高崎→沼田→老神温泉



今日は旅館に到着するだけなので、ゆっくりと朝食を取って出発。２、３日前に旅先は雪が降ったと聞いていたので、車は止めました。

渋谷から湘南新宿ラインの特別快速。湘南新宿ラインのホームは、埼京線と同じで、改札を入り、一旦山手線のホームに出て、階段を上がり、更に歩いて歩いて・・・。何しろ遠いのです。ようやく到着。

奥方の勧めで、グリーンで。土日はグリーン券が安いのだとか。普通の車輌は、窓と席が並列で、お弁当など食べられないとのこと。グリーンの席は前方を向いて、新幹線と一緒。ＪＲで新幹線や特急以外に長距離を乗ることなど殆どないし、湘南新宿ラインも初めてですから、グリーンの存在すら思いつかない鉢妃。席のことは初めて知りました。渋谷で買ったサンドウィッチと飲み物で昼食。

高崎で乗り換え、上越線で沼田駅３時半頃到着。雪で真っ白な山が見えました。谷川連峰だそうです。突然、ＳＬが入ってきました。これも週末だけ走っているとか。



尾瀬行きのバスなども出ている



沼田駅です



ＳＬ入線

最初は街中を走っていたバスが坂道を登っていくと、急に渓谷沿いになり、なかなか美しい風景です。雪の残った山道を５０分ほど乗って、老神温泉到着。バス停まで旅館の車がお出迎え。奥方が老神温泉はどんなところかと質問したら、その辺を一周し遠回りして案内してくださいました。

旅館到着後間もなく、奥方がそこら辺を散歩したいと言い出し、直ぐ外へ。かなり冷え込んでいます。辺りは既に暗く、正面の山は真っ黒なシルエット。奥方は、その山に感激しています。横の方にある山々は、少し明るさが残っていて、紅葉の名残が見られます。鉢妃は、最盛期はさぞかし美しかったことだろうと、そっちばかり見ていました。





え、絵になる！　老神温泉郷

部屋に案内されると、一部屋だけと聞いていたのに、その部屋の奥に、畳の小部屋と、その隣に、椅子の置いてあるカーペットの小部屋もありました。寝具を敷いても、小部屋でくつろげて、充分な広さです。

いざ温泉へ。普通の温泉、ジャグジー、露天風呂、サウナといろいろ入りました。

夕食は、食事処の個室。上州牛の網焼きと鍋物の２つにコンロがあり、それぞれ火をつけていってくれました。値段の割りに、お肉の味がよく、柔らかくて、お料理の種類もいっぱい。こんな値段で立派なものです。

のんびり食べていたら、焼いていないお肉が残っているのに、火が消えてしまいました。お鍋の火と交換すれば？と奥方が気の利いた発言をしてくれましたが、間もなく、それも消えてしまい・・・。

仲居さんを呼んだら、また新しいのを持ってきて火をつけて下さいました。「旅先ではね、何でも言って、贅沢してください」と。彼女の姿の消えた後、「旅先でなくったって、私たちいつも言いたいこと言って、贅沢してるわね！」

旅館の人が、私たちが気づかなかった「銀河」という、もう１つの露天風呂を盛んに勧めるので、寝る前に行ってみました。浴室を宇宙に見立て、月や惑星が描かれ、青い光にライトアップされていましたが、人工的な演出より、食事前に入った、自然に囲まれた露天風呂のほうが素敵ね、という結論に達し、見ただけで退散。

夕食に少し頂いた日本酒のせいか、珍しく喉は渇くし、暖房がきつすぎたせいか（寝るときには消しましたが）暑くて暑くて、寝つきの悪い夜でした。

２００７年１２月８日　記