157講

「あわれみの心」

ルカ１６：１９〜３１
2004年7月25日

荒籾実・神学生

人間のうちにある「あわれみの心」とはどのようなものか。生まれながらの人間のうちにある「あわれみの心」とは、その人がどんな状況の中を生きたかによって育てられるもの、人から受けてきたあわれみによって人をあわれむもので、それには、条件や限界がともなっているものではないでしょうか。

それではイエス様と出会い、イエス様を神の子と信じ、イエス様を心に受け入れた人の持つ「あわれみの心」とはどのようなものか。聖書の中には、あわれみ豊かな神様とイエス様の姿があらわされています。神様は、罪の中に生まれ、苦しみの中に生きている人間をその罪の中から救い出すために、愛するひとり子のイエス様を地上に遣わされました。イエス様も、父なる神様に従って、罪の中にあった人間を深くあわれまれ、ご自分のいのちをささげて、人間の罪を贖ってくださいました。このあわれみ豊かなイエス様は、信じる人のうちに今も生きておられると、神様は、みことばを通して約束しています。

私たち、神様の恵みによってイエス様と出会い、イエス様を神の子と信じた者のうちには、このあわれみ豊かなイエス様が生きておられます。このあわれみ豊かなイエス様が心のうちにおられるなら、この方に従って「あわれみの心」を閉ざして生きることは、神様を悲しませることになります。

みことばを通して、神様の愛を知り、示された罪を認め、罪を悔い改めて神の愛の中にとどまっている者として、どんな人にも「あわれみの心」を開いて生活していけるように、互いに祈り合い、励まし合い、助け合って、共にみことばに従って成長し続けましょう。「世の富を持ちながら、兄弟が困っているのを見ても、あわれみの心を閉ざすような者にどうして神の愛がとどまっているでしょう」（�Tヨハネ３：１７）