親戚に用事の出来た母が上京してきたのは、私が旅から帰った翌日。全ての用事が済んだ頃、母が最近白洲正子さんの本を読んでいると知り、「武相荘（ぶあいそう）」へ連れて行ってあげることにしました。白洲次郎・正子夫妻の旧住居を展示館として公開しているのです。

検索で道順を調べると、世田谷通りをひたすら走るだけ。我が家から１５分ほどで世田谷通りに出ます。これなら簡単と、車で出かけました。

母はしょっちゅう兄の車に同乗するのですが、いつも後部座席に座るので、ナビを見たことが無いそうです。今度は助手席に座ったので、ナビの指示に感心し、面白がっていました。

土曜日だったので、渋滞を心配しましたが、スイスイと走り、１時間ほどで、駐車場に到着。５台のうち２台分が空いていて、スムーズに入れました。



武相荘入り口。背後の小窓がチケット売り場。
セーターは２００７年２月頃の作品

チケットを買って、囲炉裏（写真下の上）の傍を通り門（写真下の中：臼を郵便と新聞受けに利用）をくぐり、母屋（写真下の下：茅葺の屋根。今年の２月に葺き替えが済んだばかり。トップの半円状の箇所に、「寿」の文字）に入ります。







今回は、彼らの食事がテーマで、テーブルセッティングがされています。室内は撮影禁止なので、写真はありませんが、正子さんのコレクションである骨董品の器や家具が目を奪います。どれも時間をかけて、じっくり楽しみました。

古い農家を買い取り、住みながら改装していったということが書かれていました。日本家屋の欠点（寒さとか）を無くし、センスの良さで、特徴を生かした最上の住み方をされていたことを羨ましく思います。

併設のお店で、壁掛け用の小さな花活けを購入。帰宅後、我が家の紅葉したもみじ（自生）と、赤い実のついた枝を挿しました。

駐車場に戻ったときは満車で、「出られますか？！」と飛んで来た人がありました。私たちはラッキーだったわね、と。まだ１時半。以前、友だちに連れてきたもらったとき、その前に、「なんとかの里」という野原のような場所に案内してもらったのですが、名前が思い出せません。意味不明な名前だったので、取っ掛かりもありません。友だちの自宅と携帯に電話しましたが繋がらず、昼食を取ったお店で聞いても判らず仕舞い。

帰宅後聞いたら、「寺家（じけ）ふるさと村」でした。寺家はただの地名。「ふるさと」の後半だけ記憶に残り、「里」と勝手に頭の中で変換してしまっていたのです。これじゃ思い出せるわけが無い！

帰るしかないかなと思ったとき、母が、「ここに庭園美術館」と書いてあるわよ」と、私のコピーしてきた地図を見て言うのです。見ると、すぐそこ。

「香山（かごやま）園」（写真下）は日本家屋ながら、室内は様式に整えられていました。シャンデリアが輝き、豪華絢爛！　鉄斎の屏風などもありました。

母のセーターも私の作品