目覚ましが６時半に鳴りましたが、昨夜遅かったので、みんななかなか床を出ようとしません。ようやく揃って大浴場へ。部屋の洗面所でのお化粧は４人では無理なので、上がり場の大きな鏡を使って済ませました。

奥方との旅ではいつも日数分の服を用意して行くのですが、奥方に聞くと、
「今度は着たきりすずめよ。もう忙しくて、考えてる暇もなかった！」
と。テコもカーコもそうだというので、鉢妃は持って来ていたのですが、同じようにしました。ただ持ってきた手編みのセーターを見せると、カーコがまた
「これは私に似合うわ！」
とさっさと着てみます。ボーイッシュなセーターなので、確かによく似合います。
「ジーンズに合うかと思ったんだけど、私が着るとなんだか野暮ったいのよね」
と鉢妃。
「着てご覧！」
鉢妃が着てみると、
「悪くないわよ。せっかく持ってきたんだから、今日着れば？」
と奥方が言うが早いか、カーコが
「これ荷物になるから持って帰ったげる！」
と赤い方のセーターをかばんに入れるふりをするので笑っちゃいました！

朝食は、１階のレストランで、和洋中のバイキング。和が１番種類が多そうでした。ホテル周辺の木々は紅葉が綺麗です。





９階の部屋からは、冠雪した北アルプスの山々（槍ヶ岳、白馬、妙高など）が青空に映えて、とても美しく見えました。



６月にも鉢妃の実家で奥方のお抹茶タイムを持つことが出来ましたが、滅多にそんな機会のないテコとカーコは今回もそれをとても楽しみにしていました。丁度前日高島屋に行った鉢妃は、岐阜県中津川の栗きんとんを見つけ、このお茶会に持参。奥方も大好きだそうです。





カーコは、甘いものがあまり好きではないので、栗きんとんを食べようとしなかったのですが、
「お茶の前には甘いものを食べないと」
と言うと、仕方なく口にして、
「美味しーい、さっぱりして！」
その後、
「さすがに奥方のお茶は美味しいわー！」
と感激。２服目は点て方を教えてもらっていました。



宗家夫人手ずからご伝授

それぞれ２服ずつ頂き、お茶会終了。カーコが、
「あー、美味しかった、このお菓子！」
と言ったので、みんなでずっこけてしまいました！

さて、カメラで画像を再生していると、どの写真だったか、カーコが
「奥方、デビ夫人みたい！」と。それがいつの間にか、
「デブ夫人」
に変わってしまいました。ほんとにデブなら嫌味でしょうが、痩せているのでお構いなし！

話は少し違いますが、世の中には「ザ行」を「ダ行」で発音する人が居て、発音するからには、文字で書いてもそうなるのです。
「“でったいでつめい”のようにね」
と鉢妃が言うと、奥方がすかさず
「そんなの漢字で書かないの？」
と冷静な発言！　おっと、これは例えばの話でした！「ざぶとん」を「だぶとん」と言う人が居るしね、とテコ。奈良や和歌山がそうらしい、ということです。「アマゾン」を「アマドン」と書いた人の話が出て大笑い。テコどん、鉢妃どん、丁稚どん、みたい。

コーヒー券ももらっているので、チェックアウトを済ませ、またティールームへ。ここで今日の行き先を最終チェック。







玄関で記念撮影。ホテルの女の子が、嫌がらずに（！）にこやかに何枚も写してくれました。







松代は真田藩の城下町。至る所に「六文銭」の印が付いています。お城は跡しか無いそうですが、古い町並みが残っているとか。テコが、ＮＨＫで象山神社の樹齢４００年の紅葉を写していた、というので、その町並みを通りながら、神社を目指しました。

「奥方との２人旅では笑ったエピソードをよく覚えているんだけど、今度は笑ったことが多すぎて覚えてられないわ！　紀行文書けるかしら？」
と鉢妃が言うと、テコも、
「ノッコが面白いことを言うと、覚えとこ、と思うけど、どんどん増えるから、ほんと覚えてられないわ！」
との発言。テコは、他の人の会話に挟んでちょこっと言っただけの鉢妃の発言を聞き逃すことなく、必ず、「聞いた？！　ノッコったら、〜〜やてー！」
とみんなに披露して笑うのです。鉢妃からすると、そのまま流れてしまいそうな戯言を、ちゃんと拾ってくれるので、テコはありがたい存在です。昔くそ真面目で、およそ面白くなかった人物のギャップが面白いようで、カーコにも、
「あんた、ほんとに昔のノッコと同じ人？！　なんで変わったん？」
なんて言われてしまいました。皆さんのお蔭（？）。

神社の看板に「象山先生」とあり、「象山って、誰だっけ？　佐久間象山って居なかった？」
と奥方が言うと、別の場所に「佐久間象山」と書いてありました。えらい！　でも結局どういう人なのか判りませんでした。検索すると、幕末の武士で、兵学、洋学を身につけ、一橋慶喜に公武合体論、開国論を説いた人とか。奥さんは勝海舟の妹だそうですが、象山が性格的に問題ありの人らしく、勝海舟は好感を持っていなかったようです。





神社境内の風景



イロハカエデ（たかおもみじ）。
樹齢は400年ではなく、260年でした！







カーコは写真嫌い。で、１人だけを撮影。かっこいいでしょ？

神社を出て、長野駅まで奥方を送りました。彼女は明日からもお茶会他予定満載なので、今日はこれで早退！　３人で夕方まで観光です。

停車し易そうなところまで走って、ナビを設定。松川渓谷に向かいます。カーコは小布施の町に興味があったのですが、ホテルのフロントで聞いてきたところでは、特に見るものも無さそう。「自然」がいいということで、渓谷を選びました。

信州はお蕎麦、それも新蕎麦の時期。今日のお昼はお蕎麦と決めていたのですが、長野駅周辺では駐車が大変だし、渓谷に向かう途中にお店くらいあるわよね、とそのまま走ることにしました。長野から須坂に入り、途中テコがお店を見つけて
「あっ！」
と言ったのですが、鉢妃は止まれず素通りしてしまいました。他にもあるかしら、と心配しながら進んでいくと、今度は鉢妃が
「あった！」

「そば」の文字を見つけただけで、建物すらよく見えなかったのに、それがとてもいいお店だったのです。カーコが
「よくぞ止まらなかったね」
と言うので
「？？？」
と思ったら、さっきのお店を素通りして良かったね、ということでした。天ぷらそば（ざるそば＋天ぷら）はとても美味！手打ち蕎麦のしこしこは勿論、さくさく揚げたて天ぷらもほんとに美味しくて、みんな大満足！

山梨・長坂の「翁」はお蕎麦の有名店で、昔八ヶ岳に泊まったときに行ったことがあるのですが、その創業者の著書や額が飾ってあり、女将さんに聞いたら、やはりその系列のお店だったのです。奥方も一緒だったら良かったのにね。







ガラス越しに撮影







カーコとテコがりんごを買いたいと言っていたのですが、渓谷へ行く途中、りんごと書かれた旗を見つけ、停車。降りて見たものの重いから迷っているようでしたが、なんと１箱５００円のがありました！　テコも鉢妃も好きな王林。
「２００、２００、１００と分けてもいいわよ」
と言うと、みんな買う気になり、結局１８個あったので３等分しました。６個でも重いけれど、ガラガラだから大丈夫。１個３０円足らず！　さわやかな味で、美味しかったですよ。

お店で松川渓谷を聞くと、もうすぐとのこと。言われたとおり、赤い橋を渡り、山田温泉を通って渓谷に出ました。休憩所で下りて、展望台を上ると、向こうに細―い滝が見えました。







まるで腕を骨折したようなポーズ！



更に上ると「雷滝」の標示。１４０ｍ歩いたところに滝があるというので、そのくらいなら時間的に大丈夫だろうと、山道を下っていきました。水量の多い滝の裏側を通り、下りられるところまで下りると、滝と紅葉があいまって、美しい風景でした。