奥方は自分の家で、一人で泊る（？）ことができません。殿がお留守、お嬢さんには予定ありで、名前が悪いのか、また「鉢妃」にお「鉢」が回ってきました。平日暇な鉢妃が、わざわざ料金の高い週末に旅をすることへの遠慮があって、「だめでしょ？」と言って来た奥方ですが、鉢妃も連日連夜の予定が、幸か不幸か週末だけは空いていたので、「奥方がぜーんぶ決めて、ここに付き合えー！というなら、言うことを聞くかも・・・。但し、我が家に来るのは今回はだめ。夫が今日から風邪を引いて、がらがら声。移るかもしれないから」と返事。我が家へ、と言う魂胆もあったそうで、釘を刺されて笑ったそうな。

翌日の夜、奥方から電話。ホテルは彼女が調べてきたものの、私が別のルートでそれを調べると、同じホテルで、うーんと安い冬季割引のが見つかり、奥方ったら「じゃあ、それで決まり！　私は今からお風呂。貴女は予約してからお風呂よ」だって！　「なんで私がー？！」「技術を持ってる人がそれを駆使するのよ！」わがまま奥方ですが、まあ、予約くらいしてあげやしょう。

第１日　２００８年１２月１３日（土）




ガラスの森美術館

鉢妃は、東急線で横浜に出て、ＪＲ湘南新宿ライン特別快速に乗り換え。藤沢駅で奥方が乗り込んできました。奥方と合流して２４分後には小田原駅到着。今回は、奥方の方がずっと便利。

奥方：「今日お化粧してきた？」
鉢妃：「勿論、ばっちりしてきたわよ」
奥方：「もう取れてるわ！」
午前中で取れちゃうお化粧じゃ、意味無いか？！　自分には見えないことをいいことに、結局、そのまま１日過ごしてしまった鉢妃。

駅ビル内のレストラン（富士屋ホテルの経営とか）で、パン＋サラダ＋ロールキャベツのランチ。味はよく滲みこんでいながらも、さっぱりしていて美味でした。何でも「和」の鉢妃は、最近ロールキャベツも、お味噌を隠し味にして、出汁で煮た和風料理にしていましたが、ケチャップでコテコテにしなければ、コンソメ味もいいもんだと再認識。

３時のチェックインに合わせ、バスで、「俵石・ガラスの森美術館前」で下車。

奥方の今回の計画は、１日目は温泉に入れればいい、２日目はガラスの森美術館を見て帰る、というものでしたが、なんと、ホテルと美術館が道路を挟んで真向かいとなっていたのです。実際には、ホテルには、バス停から坂道を上がり、林の中を通り抜け、ようやくフロントに辿り着くという状況でしたが。

チェックインの際、仙石原のお散歩マップも付いてきました。これは翌日、大いに役立ちました。「お部屋には大と中の浴衣を用意してありますが・・・、あっ、小ですね」と鉢妃を見るなり、勝手に判断され、小の浴衣を渡されました。

サービスのコーヒーを頂いた後、一旦部屋に荷物を置き、まだ早いので、取り敢えず、美術館に行くことにしました。実は、以前奥方から、ガラスの森美術館の話が出たので、鉢妃の持っていた招待券を２枚上げていたのですが、結局一緒に行くことになった次第。

敷地内に入ると、早速、きらきらと輝くガラスのツリーが迎えてくれます。

左上：煙突にサンタさんがいることを奥方が見っけ。
右：橋の上にはガラスの屋根





１６時過ぎにはこの明るさ

ガラスの森美術館では、イタリア・ベネツィアンガラスを展示しているのです。アクセサリー売り場に先に行った奥方と途中で出会ったものの、またはぐれ、出口で会えるかと出てみたら、外は暗く、ツリーが綺麗に瞬いていたので、写真を撮るため庭に出ました。何度か奥方の携帯に電話したものの、全く出ません。そう言えば、大きなバッグ１つで旅に来た彼女は、大事なカードだけポケットに入れ、手ぶらで美術館に来たのでした。それに気づいて、また出口に戻ると、居ました、居ました！



１７時には真っ暗で、イルミネーションが美しい



ゴンドラも浮かんでいます



橋の内部

美術館に入る前に、ミュージアム・ショップで下見をしていた奥方、最後にまた戻り、ジャムをお買い上げ！　そうこうしている内に、１７時半になり閉館。

足元をライトアップした坂道を戻り、ホテルに到着。山の斜面にホテルの棟が点在していて、フロント棟からは、部屋にも勿論、温泉にも、レストランにも、外階段を使わねばなりません。行き来が寒く、道理で冬季割引がある訳。足の悪い方も利用できませんね。まだ丈夫で良かった！

室内用スリッパと屋外用サンダルが常備されていて、出入りの度に履き替えなければならず、不便さはともかく、食事に行く前に、ブッシュ大統領じゃないけれど、汚い履物を触るのがちょっと問題。

奥方も、「ここは春以降に来るホテルね」と選択ミスのようなことを言っていましたが、枯れ木であっても林の中にあるという気持ちよさ、偶然にも、目的の美術館が目の前と言う絶好のロケーションだった為に、夕方来て、美しいクリスマスイルミネーションが見られたわけで、正解よ。

温泉は白濁したお湯で、源泉掛け流し。「ここのお湯はいいのよ。温泉の権利を持っていて、周辺の旅館にお湯を回して上げているの」と、大浴場で一緒になった知らないおばさんが教えて下さいました。ホテルなのに、大浴場は、枠が木製の大きなガラス戸で、昔の湯治場の雰囲気。

露天風呂はラベンダー湯。良い香りが漂っていました。但し、ラベンダーの花がお湯の中に撒かれている訳ではなく、ラベンダーオイルだそうですが。湯船がヒノキだったのも、いまどき珍しい。

いつもの旅と違って、ランチをしっかり取ったので、夕食は遅い方の時間帯（１９：４０）にお願いしたら、待ちきれないほどお腹が空いてきました。レストランは、まるで体育館のような天井の高い、だだっ広い部屋。

お客さんの子供たちと楽しそうに遊んでいて、なかなかやってこなかったお給仕の女の子に、「子供が好きなのね」と言うと、「ほんとは苦手なんですけど」と。その後の私たちへの応対も、とても愛想が良かったので、きっと子供たちにもなつかれ、それで相手をしていたのでしょう。

形だけでもあった方が、と、日本酒を注文。冷酒はどれも３００ｍｌのところ、「一の蔵」なら常温で１合でも良いとのこと。枡酒だったので、グラスに分けて、かんぱーい！　冷酒と言うのは、お燗をしないお酒、つまり常温を言うのかと思っていましたが、冷酒とは、文字通り冷やすのでしょうか？！（この後調べたら、冷酒は冷やしたお酒、常温は、「冷や酒」と言うそうですね）。





９時半頃食事が済んだので、せめて２時間は起きてなきゃね、と話していましたが、奥方はその前からおねむ。かろうじて頑張って、１１時半に先に寝ていました。旅では寝る前にも入る温泉は、外に出なきゃいけないこともあって、今回はパス。鉢妃は３０分遅れで消灯。２人とも朝までぐっすり。