178講

「歴史的できごと」

ミカ５：２、ルカ２：１〜７
2004年12月19日


サンタクロースは、4世紀のトルコで貧しい人たちに施した実在人物であるが、多くの伝説を生んだ。しかし、イエス・キリストの誕生物語は聖書にはっきりと記された歴史的事実である。福音書を書いたルカは医者であり、文筆家であり、歴史家であった。その彼が、キリストに関する聖書の記述はすべて正確な事実であることを明記している（ルカの福音書１：１〜４参照）。

降誕物語も例外ではない。「全世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝帝アウグストから出た。これは、クレニオがシリヤの総督であったときの最初の住民登録であった。」（ルカ２：１〜２）　この記述も歴史家による裏づけがある。救い主の誕生は、私たちの住んでいるこの世界の歴史の具体的な時代と社会状況の中で起こった事である。神のみわざにはフィクションはない。歴史を作るのは神であるからである。

このとき、ガリラヤのナザレからユダヤのベツレヘムまで、約150キロの道のりをヨセフと身重のマリヤは旅をした。「ベツレヘム・エフラテよ。、、、あなたのうちから、わたしのために、イスラエルの支配者になる者が出る。その出ることは、昔から、永遠の昔からの定めである。」（ミカ書５：２）　700年前の預言が成就した。神の遠大なご計画を思わざるを得ない。

「マリヤは月が満ちて男子の初子を産んだ。それで、布にくるんで、飼い葉おけに寝かせた。」（ルカ２：７）　旧約聖書に預言されている王なるメシヤ（救い主）は立派な宮殿の暖かい、きれいな部屋で生まれるとほとんどの人が想像していただろう。しかし、神の御子は低く、貧しく生まれられた。

その「飼い葉おけの主」は私のための救いのしるしである。クリスマスがどれだけ大切なものかは、私自身がこの幼子イエスとどういうかかわりを持っているかによる。私のために、私が罪から救われるために生まれ、十字架についてくださったのである。そのことを信じよう。｢世界歴史の10大ニュースは何か。第一位は2千年前、ユダヤのベツレヘムに神の御子イエスが人となって誕生されたこと。｣「神の御子なるイエスが人となりて生まれしは、わがためなり、わがためなり、わがためなりと信じぬ。」（水野源三詩集より）