奥方：「又、連休なんですが・・・どこかへおでかけ？？？」
鉢妃：「連休は例年どこへも行かない人！　今年も出かけたくはないけれど・・・」
奥方：「１泊でもいいなぁーーーーーー！」
鉢妃：「ハハハ、ゼロ泊でない限り、１泊も３泊も一緒！」
奥方：「ワァーーン！」
などと言う、子供のようなメールのやり取りを交わしていたのですが、暫くすると、
「この旅館どおお？」と電話がかかりました。

第１日　２００９年５月１日（金）




富士山

湘南新宿ラインで来る奥方は、甲府方面の９番線まで１２分間で乗り継ぐことになります。それだけあれば大丈夫でしょうが、湘南新宿ラインのホームは離れているし、電車が遅れることも考えねば。やれ新宿駅は混雑するだの、湘南新宿ラインのホームは工事中だの、検索すればするほどややこしいことが書いてありました。

間際まで特急電車の空席が充分あるようだったので、切符を買わず、当日取り敢えず、１３時発「あずさ」の自由席の前で待ち合わせる約束にし、間に合わなければ３０分後の特急「かいじ」にすることに。

鉢妃は、１５分以上前に到着し、列につきました。９番線がもっと奥まった所にでもあるのかと思ったら、番号順に並んでいて、何の問題もなし。奥方も、乗り継ぎにたった３分しかかからず到着。「なーんだ！」

宿泊先の石和温泉までは、特急「かいじ」だと停車するのですが、「あずさ」の方が旅気分が出るかと、甲府まで足を伸ばします。



甲府駅前

３時前に甲府駅到着。先ずは奥方の提案でお茶。駅周辺で喫茶店は？　見当たりません。目の前のデパートの中にある、富士屋ホテルのティールームに入りました。コーヒーだけのつもりが、デコレーションの綺麗なケーキが並んでいたので、ケーキセットを注文。ケーキはほとんど４２０円で、安くはないのに、お茶とセットだと５８０円！　やすーい！

「お土産にケーキをお持ちになりませんか？　１個２００円で、箱にもお入れ致します」なんて言われましたが、ガラガラを持っているのに、旅行者と判らないのでしょうか？　帰路の途中に寄ったとでも思ったのかな？　旅館の夕食が待っているので、デザートは不要。

目の前が舞鶴城跡だったので、寄ってみることに。
鉢妃：「真鶴が関東で、舞鶴って、京都のほうじゃなかった？」
奥方：「鶴が舞うようなお城ってことでしょ？姫路城が白鷺城みたいに」

なるほど。さすがお城にゆかりのある奥方！　下々の暮らしの鉢妃には、ピンと来ませんでした。単に頭の回転が悪いだけなのでしょうか？！特急電車「かいじ」も、奥方から、「甲斐路でしょ？」と言われるまで気付かなかった鉢妃。





新緑の季節に合わせ、グリーンのコットンのカーディガン着用。
昨春編んだもの。亡母に見せた最後の作品となりました



本丸・天守台石垣（？）



眼下に甲府の街。鉄塔の右に富士山



周囲は全て山

明日夕方までレンタカーがあれば、と、駅周辺の４軒を回りましたが、連休のため、いずれも明朝から満杯とのこと。諦めましょう。

ちょうど石和温泉駅に行くバスが来る時間だったので、電車だと１０分かからない道を３０分ほどかけて、のんびり街中を見ながら戻りました。旅館まではお迎えの車が来てくれました。乗った途端に降りたほど近い宿。

１日は金曜日で、連休は２日からとなり、平日料金なのですが、今回は、奥方との旅の中で、１番料金が高い旅館なのです。
鉢妃：「珍しく高いじゃないの」
奥方：「だって、ノッコが、安いところは食べ物が美味しくないって言うから」
ということで、決めたそうです。結局予約したのは、鉢妃ですけどね。奥方はネット予約が出来ないので、旅行会社まで行かなきゃ、と言うものだから。飛行機の予約はネットでする人なのに、おんなじじゃない！

今度の旅での奥方の希望は、果物を買うこと。
鉢妃：「果物なんか、お家にいっぱいあるんじゃないの？」
奥方：「今、おみかんの類ばっかりでしょ？」
鉢妃：「いちごとびわがあるけどね」

でも、鉢妃は後から気付きました。世間におみかんしか出ていないとしたら、山梨にだって、桃もぶどうも無いのでは？　ビワもイチゴも山梨とは関係なさそう。旅館の人に、奥方が質問。「そうですねー、今は何も無いですねー。ハウスのぶどうがそろそろ出て来ましたが、売っている場所は少し遠いですね」

「隠れ家の宿○○○」という名の旅館で、離れを謳い文句にしている旅館でしたが、何周年かの記念料金なので、部屋は本館（広い）になるか離れ（狭い）になるかはこちらでは決められないことになっています。

到着すると、公園のような木々の中に、旅館があり、あやめか菖蒲の紫の花が咲いていました。それ以外は、桃の花も終わり、花も果物も端境期！

女将さんと仲居さんに、玄関の畳の間で、丁寧に手を付いて迎えられました。先ずはロビーで、水羊羹とお抹茶の接待。案内されたのは、本館の２階で、広いけれど、ま、普通の部屋。女同士じゃ、不倫ではないし、お料理を運ぶのが離れでは面倒くさいし、本館にされちゃったんじゃないの？なんて余計なことを考える２人。お部屋に入ると、大きな揚げせんべいとお茶の接待。もうすぐ食事なので、お茶だけにしておきました。

ここで奥方が、またレンタカーの話を持ち出しました。女将さんに連絡先を聞いて電話。甲府では全て断られたのに、石和温泉では簡単にＯＫでした。やはり県庁の所在地とは人出が違うのでしょう。お迎えにも来ると言ってくれましたが、旅館名を言うと、「そこからなら見えてるんじゃないでしょうか？　車だと遠回りなんですよ」と。確かに廊下の窓から見えました。

露天風呂に入浴。ほんとにこれで何処からも見えないの？　まるで、お庭で裸になっているような気分でした。昔、石和温泉は、鉱石を入れるラジウム温泉と聞き、夫の誘いを却下したことがあるのですが、「天然温泉かけ流し」でした！勿論、奥方はそう書いてある、と言っていたのですが、半信半疑だったのです。友達にも訂正しておかなきゃ。他に最低２組はお客がいたのですが、露天風呂は我々のみ。のんびり出来ました。





浴衣の柄が、まるで器の
赤絵のように派手な色に見えます。
食前酒の濁り酒で乾杯の形を取りましたが、
鉢妃は前夜ほとんど眠れなかったので、
お酒は危険。奥方だけ、
冷酒を注文して楽しんでいました。

お料理は、どれも手をかけた凝ったもので、鉢妃は、奥方との旅の中では、一番気に入りました。最初の３種まで写真に収めましたが、後はすっかり忘れ、パクパク。品数が多く、「今焼き物でしょ？今度揚げ物が来たら、とても食べられない！」なんて言っていたのに、少し時間が経つと、またパクパク。残さず頂きました。







ロビーで借りてきた雑誌を見ているうちに、９時半頃、既にとろとろ。寝ましょうか、と歯磨きをしたら、目が覚めてしまいました。でもお布団に入っていると、ＴＶの音が子守唄になって、いつの間にか熟睡。８時間ぐっすり眠り、前夜の睡眠不足を取り返した鉢妃でした。奥方も充分眠れたとかで、何より。