第１日　２００９年８月１８日（火）

一関



旅館からの景色

●矢櫃温泉

東京駅から東北新幹線に乗車。２時間１０分で一ノ関駅到着。お迎えの車には私達だけでした。矢櫃（やびつ）温泉の旅館までは約３０分とは聞いていましたが、車はどんどん山奥に入り、なかなか着きません。その間歩いている人に会ったのは１人だけ。ようやく大きな建物が現れました。

フロントには男性ばかり。岩手なまり（多分）のある、実直そうな人たち。応対はもたもた。案内された部屋は、奥の奥で、フロントから遠ーい！部屋の扉は、木の引き戸、と言えば聞こえはいいけれど、悪く言えば、表に「厠」と書きたくなるような雰囲気に、ちょっとがっかり。でも、景色のある部屋を選択したので、渓谷に面し、室内は悪くは無く、安心しました。

お昼ごはんまで付いているコースで、早速松花堂弁当を頂きました。大したことがなかったので、夕食が思いやられます。中尊寺に行くには、一ノ関の駅から、或いは電車を乗り換え、平泉駅からバスが出ているのですが、お昼つきが災いして、先ずは旅館に行ったために、出るも入るもならなくなったのです。いつもあまり計画性が無く、現地で予定を考えるので、旅館との交通の便がこんなに悪いとは思いませんでした。

食事が済んでもまだ１２時半ころ。中尊寺に行くには一ノ関まで送迎車を利用できますが、帰りの便は無し。バスの便も滅多に無く、タクシーしか方法がないとのこと。明日からはレンタカーを借りるので、明日の予定に変更。

近くに、厳美渓という渓谷があり、「空飛ぶ団子」があります、とのこと。あっ、あれ、ここのことだったんですか？！　以前ＴＶで見たことがあります。奥方は何のことかわからず、きょとんとしています。行きは１時発の送迎車、帰りはバスの便がありますと教えてもらい、それまでサービスのコーヒーを飲んだり、新聞を読んだりして待ちました。

年配の運転手さんは愛想の良い人で、駅に向かう通りから小道に入り、ちゃんと厳美渓の中まで送ってくださいました。


●厳美渓



空飛ぶ団子

あっ、やっぱり、あのお団子屋さん！　ＴＶで見た通り、お団子の乗ったざるがするすると下りてきています。ざるに４００円を入れて、板を叩いて合図をし、ロープを手繰ると、ざるが店まで上がって行き、串に刺した３種（小豆、ゴマ、醤油）のお団子１箱とお茶が下りてきます。上ではロープの手を放すだけのよう。お茶もこぼれずにちゃんと届いていました。お店の前には車も通る大きな通りがあって、店内でも食べられるのに、渓谷に居る人たちに面白い趣向で売っているのです。旅館の食事は多いので、注文せず。









近くの商店を覗くと、まあ新鮮なお野菜の異常なほどの安さ！　奥方じゃないけど、何でもかんでも買ってみたくなります。中でも、お漬物用の細くて小さいおナスが袋にいっぱい入っています。でもまだ初日。帰る前に悪くなりそうで、お店の人に聞いてみました。

「こんなおナス、岩手では当たり前なんですか？　他所でもあります？」
「花巻でも盛岡でもあると思いますよ」
「商売になりませんね」と奥方。
「いいんですよ」

結局、この店では何も買いませんでしたが最終日に、この小ナスを遠野近くの道の駅で見つけました。



漬かりすぎたきゅうりと、色よく漬かった小ナス。
いぼいぼきゅうりがコリコリして美味でしたが、
撮るのを忘れました



東京では、この値段ではせいぜい４個しか買えません。
１／７の値段ということですね

バスの時間までまだ１時間もあるので、しばらく散策。吊り橋が苦手な奥方ですが、これくらいなら、と珍しく渡り切りました。

鉢妃のスカートは、丈を詰めて復活させた古い物







奥方の見つけた、まだ青い毬栗



厳美渓から旅館まで乗った路線バス。
♪田舎〜のバスはおんぼろ車〜♪の唄の通り





宿泊した山奥の１軒宿





背景は全て旅館の敷地

部屋からフロントまでは遠かったのですが、大浴場までは割合近く。今年はアブが大量発生しているとかで、露天風呂が気になりましたが、その時には出遭わず。でも翌朝、２人とも脚を何かに刺され、かゆくて、かゆくて。１０日近く経った今もかゆみは続いています。トイレに大きな蟻がウロウロしていましたから、寝ている間に蟻に刺されたのかも。

昼食はちゃちだったのに、夕食はなかなか立派で美味しいものでした。霜降りの前沢牛の握り寿司としゃぶしゃぶも出て、品数もたっぷり。

食前酒の山葡萄酒で乾杯
他にハーフボトルのワイン付き





夕食膳。牛の握りずし
１貫食べた後に撮影

奥方は普段から早寝、鉢妃は前夜ほとんど寝ていなかったので、１０時半になったのを見て、就寝。お互いに朝７時前までぐっすり眠りました。