●猊鼻渓

一ノ関の駅で、予約していたレンタカーを借りました。昨日行った厳美渓（げんびけい）とは別に、駅の反対側に猊鼻渓（げいびけい）という似たような名前の渓谷があり、そこで舟下りをしていることを、昨日現地についてから知りました。鉢妃は先日、初めて船頭さんの漕ぐ舟での川下り（保津川）をしたばかりなのに、また同じような体験をすることになりました。

今回の旅行は中尊寺訪問がメインですが、お天気や次の予定地、花巻温泉へのロケーションの都合で、先に猊鼻渓に向かいました。



右奥が船着場

パンフレットで知ったことですが、ここは「川下り」ではなく、「川往復」なのです。同じ場所に戻るので、車で行くのにも好都合。１２時の舟を待っている時、すぐ近くに、背の高い素敵な男の子が居ることに気づきました。日本人だと思ったのですが、私の前にも同じように背の高い男の子が２人並んでいて、その子たちを見ると外国人だったので、最初の子もグループだと判りました。あんまり目の前で背が高すぎるので、鉢妃の視界には入っていなかったのです！　こっそり奥方に、「素敵な男の子たちが居るわね」というと、「そうなのよ！」と彼女も気づいていたのでした。

船の中で、「どこの国かしら？ドイツ語かな？色が浅黒いから、南米かな？」と奥方。「ゴホゴホした言葉ね」と鉢妃。

往路が終わり、一旦陸に上がり、説明者の待つところまで少し歩きました。そのとき、「奥方が、どこから来たの？」と聞くと、「オランダ」とのこと！奥方にとっては、曰く因縁のある国ではありませんか？！



「この間、オランダから帰ってきたばかりなのよ」から始まり、９月にはオランダで日蘭交流４００年イベントがあることなど、何やかやと話していました。相手は、平戸こそ知らなかったものの、日本とオランダの交流のことをよく知っている学生でした。３度も日本に来て、九州のハウステンボスまで行ったとのこと。奥方は、ぜひ、平戸の松浦史料館を訪ねるように、宣伝していました。



鉢妃も同じ高さの床に立っています。念のため

さて、肝心の渓谷の景色は、以下に。







今日のランチにわんこそばを食べたかったのですが、花巻や盛岡に行かないとないそうです。岩手ならどこでもわんこそばかと思っていましが。で、普通のざるそばを食べ、今度は、平泉に向かいます。新幹線の中からの景色もそうでしたが、今は稲が育ち、その黄緑色の美しいこと！走行中も、時々停車させて、撮影。








●中尊寺



中尊寺本堂から金色堂への道中

２時半ころ、ようやく目的の中尊寺入り口に到着。月見坂を登ります。









弁慶堂





観音堂



本堂











中尊寺の諸々の建物









中尊寺の長い年月を思わせる木々

世界遺産を逃した金色堂は、撮影禁止。金ぴかの建物の筈ですが、どこにも見えません。看板のある建物に入っていくと、その建物の中に修復された金色堂が入っていたのです。他の建物は、全て自然の木々に囲まれて建っているので、どれも風情があるのですが、これではまるで大きな模型のよう。これは世界遺産にはならないわね！というのが、２人の感想。

でも、藤原秀衝が建立したときから、金色堂は覆堂（おおいどう）という建物の中にすっぽり入っていたのです。今も残る覆堂は、中は空で、藤原秀衝、義経、弁慶の８００年遠忌の卒塔婆がありました。奥方曰く、「家は１２００年（？）遠忌をしたわ！」。由緒正しきお家柄！恐れ入ります。





覆堂

休憩をかねて、お茶の時間に。眺めのよい、お寺の敷地内の喫茶店に入ると、お坊さんが経営しているようで、選曲をして店内にジャズを流していました。奥方はそのことが不思議らしく、鉢妃に報告に来たのですが、鉢妃はある話を聞いたばかり。先日実家のお墓があるお寺のご住職と話をしていて、木魚を叩きながらお経を読む仕事は、リズム感があり、そのせいか、音キチが多く、特にジャズを好む人が多いのだそうです。

店を出るとき、出口あたりに居た２人のお坊さんから、ありがとうございました、と言われたときは、妙な感じでした。



喫茶店からの風景

●毛越寺



忘れていました！　近くの毛越寺（もうつうじ）にも行くつもりだったのに、のんびりしすぎました。駐車場に戻り、大急ぎで出発です。「宝物館は５時までですから先にお入りください。お庭は時間制限はありません」とのこと。





鎌倉時代以降、建物は焼失しましたが、庭園だけは平安時代当時のままの姿で残ったとか。ゆっくり一周しましたが、癒される空間でした。







昭和６１年８００年遠忌に、曲水の宴（ごくすいのえん）が行われたそうです。遣水の流れに盃を浮かべ、流れ来る間に和歌を詠み、終わって盃を頂く平安時代の催しとか。



遣水（やりみず）場







秋の気配

東北自動車道経由で３０分あまり走り、６時過ぎに旅館到着。ここも、花巻温泉の中の奥の奥。やはり一軒宿でした。思ったより、良さそうな旅館。窓のすぐ下は渓谷。



レンタカーと運転手

予定より遅くなったので、急いで温泉へ。ここでも、露天風呂では大量発生のアブと蜂に注意、との警告。確かに、アブと戦いながらの入浴でした！

夕食は、苺鍋（ウニとあわびが入る）や南部はっと汁（中に入っているすいとんのような物は“ひっつみ”と言うそうです）など、郷土料理中心の美味しいものでした。仲居さんは若い若い女の子。「私のおばあちゃんは、“ひっつみ”のことを、“とってなげ”と言ってました」と。「手に取って、お鍋に投げる」と言う意味。

明日行きたい遠野のパンフレットを持ってきてくれて、「かっぱ渕」と言うところに是非行ってください、とのこと。釣りの許可証と新鮮な野菜を持っていって、河童を釣るそうです。奥方は、その説明がよくわからなかったらしく、「新鮮な野菜が欲しいのよ」と。仲居さんもそれが判らなかったらしく、「かっぱさんは、新鮮なお野菜が好きですからね」なんて、返事をしていました！



食前酒の山ぶどう酒で乾杯



夕食の一部

今夜も１０時半頃から、お休みなさーい！