目下、わがマンションは配水管の工事中。最初のうちは、「要在宅」だったのですが、ある日、床下のコンクリートを壊す２日間、騒音がひどいので外出してください、と言われました。

週に１〜２度お誘いを受ける近所の友達と、もう１人よく会う友達に、２日間の都合を聞いてみると、お稽古、お孫さんの世話など、先約ありで２人ともダメ。

初日：カーコ姉上のアクセサリーの展示会があり、工事で行かれないと言っていたのですが、これは好都合！　午前中は夫の用事に付き合ってあげて、ランチの後別れ、雑用の後、展示会へ。ちょうど良い時間に帰れました。余談ですが、カーコと姉上は、双子みたいにそっくり！

夜カーコに電話した際、「近所の友達、誰も遊んでくれないの」と言うと、「奥方は？」「彼女は平戸なの！」「もうＫ君（長男）のとこへ行っといで！」「Ｋの家族は、今ハワイへ行ってんの！」「ギャハハ！」

２日目：特に行き先を考えていなかったので、取りあえず、駅へ。前にＴＶで見た「神田明神」へ行ってみようかな？いや、東急沿線をうろついてみようかな？

東急・大井町線に乗って、思いつきで、東急・池上線に乗り換え、駅名を見ていると、「洗足池」到着。そうだ、ここは行ったことがなかった！

慌てて飛び降り、案内板を見て、洗足池に向かうと、風流なお寺がありました。竹林が続き、日蓮上人がこの松に袈裟を掛けたと言う「袈裟がけの松」を見たりして、いよいよ洗足池へ。かなり大きな池で、向こうに趣のある赤い橋が見えます。水生植物やら、鴨、亀、鯉のいる池を１周してみました。



袈裟がけの松







洗足池

洗足池に張り出したレストランの写真を見たことがあって、そこでランチにしようかと覗いてみると、思ったよりずっと小さな、薄暗いイタリアンのレストランで、混んでいました。テラスの明るいお店だったように思うのですが。

蒲田に向かい、駅中のショッピングビルでランチの後、ユザワヤ（手芸店）へ。毛糸を買いにわざわざ行ったりしたこともありますが、用も無く行くのは初めて。何号館にも分かれているので、初めて、いろんな館を見て回り、目の保養になりました。

５時すぐに帰宅してみると、まだ工事の真っ最中。まだガンガン音がして、家に中に入れず、スーパーへ買い物に。それでもまだ終わってなくて、かなり長い間、マンションの玄関で立って待っている羽目に。今日で終わると思った騒音の工事。予定が遅れて、また翌日から２日間、オン出されたのです。

３日目：大阪の友人から届いていた、日展初入選の招待状。今日から２日間会場に居ると書かれていたので、目標地に決めました。後で映画も見ようと思い、先に映画館で上映時間を調べ、バスで六本木へ。

彼女は、イタリアの世界遺産「マテーラの洞窟住居」に魅せられ、その建物の絵ばかり描き続けています。それらしき絵を探しながら会場を巡っていくと、居ました、居ました！　まだお昼前でしたが、１３時には、私が４０年会っていない友達も見えるとか。ならばと美術館内でランチを取り、戻ってみると、懐かしい人が！　あれこれ話しているうちに、１時間半も経ちました。

もう映画には間に合いません。帰るには早すぎるし。都心に出てきたのだから、初日に思いついた「神田明神」に行って見ましょう。千代田線の駅員さんに聞くと、地図を探して、「新御茶ノ水」で降りると良いことを教えてくださいました。乗り換えなしとは便利。

新御茶ノ水のホームには、神田明神方面の出口の表示が無く、また改札で駅員さんに質問。言われた出口を出ると、すぐ案内板がありました。聖橋を越えるとすぐ目に付いた建物は、湯島聖堂とか。更に少し歩いた角を曲がると、神田明神はすぐわかりました。



神田明神本堂

お参りをし、携帯で写真を撮ったり、お土産屋さんを眺めたり、のんびりしたのですが、もうすることが無くなり、門の外に出ました。外の看板の解説を読むと、境内にある、大黒様も恵比寿様も、もちろん本堂も見てきましたが、「銭形平次の碑」もあると書かれています。気づかなかったわ、と、もう１度門の中に入り直し、きょろきょろしていると、向こうから誰かが何か言っているような・・・。



神田明神の門。左の看板の解説を読んでいました

なんと言うことでしょう（リフォーム番組「ビフォー・アフター」みたい）！　そこに居たのは今朝、私より先に出かけた夫だったのです！！！　「どうしてこんなとこに居るの？！」と夫。こちらもびっくり！



夫撮影。ピンボケ！

夫は、入院中の知り合いのお見舞いに行き（私も知っている人で、２日ほど前、ちょっとした騒ぎがあったので心配していたのです）、夕方以降の予定の前に、偶然に神田明神の前を通り、ちょっと入ってみたとのこと。私が神社に入り直していなければ、すれ違いになっていたのです。

お土産屋さんで聞いた「銭形平次の碑」を見学後、名物の甘酒を飲みながら茶店で休憩。私は御茶ノ水から神保町までを散策、夫は仕事に行きました。誰も遊んでくれない、と言ってたのに、思いがけず、１番身近に居る人が遊んでくれたのでした！

４日目：もう映画しかありません。近所の友達の予定も空いているかもしれませんが、これだけ「おひとりさま」行動をしていると、慣れて、自分だけの都合で動けるのもまた良し、という感じになってきました。「沈まぬ太陽」が、３時間半ほどの長時間上映なので、時間つぶしにはちょうどいいのです。１０時半の次は１４時半。１０時半のでも間に合いますが、今日は７時ころまでかかりますと工事の人に言われているので、１４時半以降の時間つぶしに困ります。

そこで、まず、３０分近くかかる遠くの図書館まで散歩を兼ねて行きました。途中少しだけは車の多い道ですが、大半は遊歩道で、散歩には最適。本を借りるつもりはなかったので、雑誌を読んで過ごしました。

「定年後の夫婦の過ごし方」という記事があり、「それぞれが干渉せずに、好きなことを別々にするのが１番、そして、たまに２人で行動を」と書かれていて、笑ってしまいました。或る友達は、定年後の生活に慣れるまで３年かかったと言っていました。わが夫はまだ仕事をしていますが、以前と違ってイレギュラーで、午後から出て行ったり、夕方早く帰宅したりの日々。徐々に徐々に慣れていけるので、そのうちぴたりと止めても、大丈夫そうな気がしています。

図書館の横にあるレストランでランチの後、駅まで２０分ほど歩き、渋谷の映画館に行きました。若い人たちも少しは居ましたが、大半は、私よりも上と思われる方々ばかり。山崎豊子の原作が出たころ、最初はなかなか進まず、２巻目まで読んでは、放り出し、また１巻目に戻っては中断。１、２年後、今度はいきなり４〜５巻ある長編を一気に読みました。あんな長いのを、連続ドラマならともかく、どうやって映画にできたのか期待していなかったのですが、さすがプロの手にかかると、うまくまとまるものですね。

終わったのが６時ころ。二子に戻り、高島屋で買い物をして、言われたとおり、７時到着。でも、工事にいろいろ難問が出てきたそうで、連休の間の１日もすることになり、騒音はしないものの、室内での行き来が難しいので、できたらお出かけを、とのこと。

５日目：夫もお休みだし、遠出しようかと思っていたところ、いつものご近所友達のお誘い電話。それを聞いて、夫は「行っていいよ」とジェスチャーで合図。結局、夫は、私の４日目と同じ、図書館＆映画コースで過ごし、私は友達とランチその他で１日を過ごしたのでした。

日中はいろんな案を思いついて何とか外で過ごせましたが、帰宅後、粉塵まみれの家を掃除（掃除機と拭き掃除）し、夜洗濯し、水回りで使ったものを全て夜の内に撤去することの繰り返しは、もう３週間ほど続いています。工事はまだ数日続き、在宅でも外出でも、落ち着きません。「綺麗になるから我慢できるでしょう」なんて言う人もあるけれど、綺麗になるのは、見えない箇所（壁の中や床の下の配管）だけなんですよねー。