228講

「愛のプレゼント」

Ｉヨハネ４：９〜１
2005年12月4日


中世ドイツでは「降誕劇」の前に、エデンの園の場面が上演された。そこで「園の中央の木」にモミの木を使い、「禁断の木の実」にりんごを使ったことがクリスマスツリーの起源と言われている。創世記3章にアダムとエバが蛇に誘惑され、食べてはいけないと言われていた木の実を食べたことが記されている。これが罪の起源である。罪とは神の命令を守らないこと、神に背いて離れることである。

アダムの子孫である人間は、誰一人として「罪」から逃れることができなくなった。どんなに正しく生きようと思っても、「思い」と「言葉」と「行ない」は神の思っておられることと逆の方向に行ってしまう。この、生まれながらに持っている「罪」ゆえに私たちの心の底は真っ暗闇である。みんな神から離れてしまっている。「罪」は世界の悪や争いの源になっているのである。

人間が一人残らず自分のところから離れていくことに神は怒りを覚えられた。イスラエルの民が牛や羊を殺してその血を祭壇に振りかけることによって神の怒りを鎮めようとしたことが旧約聖書に記されている。しかし、神は私たちをあわれみ、何と、御自分の怒りを鎮めるためにキリストを供え物としてこの世に送り、自ら人間に手を差し伸べてくださったのである。

「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。（Ｉヨハネの手紙４：１０）　本来私たちが受けるべき神の怒りを代わりにイエス・キリストが受けてくださった。これが十字架である。十字架によって神の怒りはおさまり、私たちの罪は完全に覆われてしまったのである。クリスマスの「赤」はキリストの血をあらわす。

世の中の宗教には、救いを得るために、人間が努力してはしごを上って何とか神に近づこうとするものが多い。しかし、キリスト教では、神（キリスト）が自らはしごを降りて来てくださって、どうすれば救いを得られるかを示してくださった。それゆえ、キリストは「誕生」ではなく、「降誕」と呼ぶ。

（罪よりの）救いは、「主イエスを信じなさい。そうすればあなたもあなたの家族も救われます。」（使徒の働き１６：３０〜３１）　イエス・キリストは私の罪の解決（赦される）のためにこの世に生まれてきてくださったということを信じるだけでよい。「赤」は神の無償の愛をあらわす。クリスマスの最高のプレゼントである。